「こどもまんなか実行計画」審議会が案をまとめ政府に提出
今年度、政府が取り組むこども関連施策の詳細を示す「こどもまんなか実行計画」の案を、専門家らで構成する審議会がまとめ、16日、政府に提出しました。
こどもまんなか実行計画とは、2023年末に閣議決定された「こども・若者を権利の主体と認識する」などと明記された、こども大綱に基づいて策定されるもので、毎年改訂されます。
政府が取り組むこども・若者関連の施策や施策の進捗把握のための指標を設定し、関係省庁などの予算の概算要求などに反映させるため、政府が6月にまとめる「骨太の方針」の議論に入る前に、岸田首相を長とするこども政策推進会議で決定します。
16日、政府に提出された審議会の案には、少子化対策のため、総額3兆6000億円で実施する「加速化プラン」のほか、こどもの貧困対策、虐待を受けたこどもなどが暮らす一時保護所の環境改善、予期せぬ妊娠に悩む若い妊婦などへの支援、障害児や医療的ケア児などへの支援、ヤングケアラーの実態把握、性的少数者のこども・若者に関する理解増進や相談支援、在留外国人のこどもや若者への支援、こどもたちを性暴力の加害者、被害者、傍観者にさせないための「生命(いのち)の安全教育」の推進、いじめ対策、社会の変化などを踏まえた校則の見直し、体罰や不適切な指導防止の周知、通学路の安全確保など幅広い施策が盛り込まれ、それをどの省庁が担当するかも明記されています。
また、こども・若者に関連する施策の決定過程で、こどもや若者の意見を聞き、反映するための具体策も盛り込まれました。去年作られた意見聴取の仕組み「こども若者★いけんぷらす」の登録者数を今後5年間で1万人程度とすることや、各省庁の審議会などの委員のうち、こどもや若者が占める割合を見える化し、公表することなどがあげられています。
「こどもまんなか実行計画」では、こうした数々の施策のほか、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを着実に遂行するための工程表や施策の進捗状況を把握するための278の指標も示されます。指標は、こども大綱の指標と合計すると353に及びます。
このように幅広いこども施策を一元的に網羅した実行計画が作られるのは初めてです。こうした政策の効果はすぐに表れるとは限らない中、こども・若者、子育て世帯などのニーズにあった施策が適切に実行されたかどうか、効果の検証がどこまでできるのかが問われます。