4月で真夏日…今年は「かつてない危険な暑さ」に? 熱中症“特別”警戒アラート始まる 出された場合は?【#みんなのギモン】
そこで今回の#みんなのギモンでは、「熱中症 かつてない危険な暑さとは」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。
●特別警戒アラート どれくらい危険?
●アラート出たらどうすれば?
「今年、既に暑いと感じた日が多いのではないでしょうか? 東京都心では3月31日に28.1度を記録しています。先週末も暑かったですよね。日に焼けた人も多かったのではないかなと思います」
「4月15日の新潟・新潟市の映像を見ると、桜の間から見える太陽がまぶしいです。この日の新潟・三条市の最高気温は32.5度まで上がりました。4月にもかかわらず、東北などで30度以上の真夏日が相次いでいます。これから先が思いやられます」
小野解説委員
「東京都心の予想最高気温を見てみましょう。24日こそ16.5度で肌寒く感じますが、25日は10度近く上がって26度の予想です。ゴールデンウイークは25度前後で、平年よりも高い気温が続く予報になっています」
鈴江奈々アナウンサー
「新潟市などの映像でも日傘を差している方が多くいらっしゃいました。桐谷さん、4月で日傘って差しましたっけ?」
桐谷美玲キャスター
「今まではそんなに差していなかった印象はありますね」
鈴江アナウンサー
「気温の高さも太陽の日差しの強さも年々厳しくなっているような感じがして、気候変動や地球温暖化を身近に感じるようになってきた気がします」
小野解説委員
「地球が沸騰化しているとまで言われています。日本でも今年、かつてない危険な暑さになるかもしれない。そこで24日から、新たな警戒情報を導入しました。『熱中症特別警戒アラート』です」
森圭介アナウンサー
「熱中症警戒アラートは今までもありました。『特別』と入ったものができたということで、それだけ危険度が上がったと考えていいんですか?」
小野解説委員
「そうです。どれくらい危険なのかについて考えます。危険度がどうやって分かるのか。全国の複数の箇所に置かれた装置を使い、気温や湿度、日差しや地面などからの熱、風を計測し、そこから暑さの指数を計算します。これが熱中症の危険度になります」
桐谷キャスター
「熱中症の危険度を判断するのに気温をすごく重視していたんですけど、それだけでは不十分ということなんですね」
小野解説委員
「そうですね。他の要素も見て総合的に、ということになります。暑さ指数は25以上で積極的に休憩をとる、28以上で激しい運動は中止、31以上になると危険とされて運動は原則中止と、呼びかけられてきました。暑さ指数31とは、どれだけ危険なのでしょうか?」
小野解説委員
「横軸が暑さ指数、縦軸が人口10万人あたり1日に何人が熱中症で救急搬送されたかを示すグラフで見てみます。環境省の熱中症環境保健マニュアルによるもので、2008年~2021年の東京都、愛知県、大阪府、福岡県のデータがあります」
「縦軸が1.0なら、東京では1日140人ほどが搬送されたことを表しています」
「いずれの都府県も暑さ指数が大きくなると、救急搬送される人の数も増えています。31を超えると搬送者数はぐんと増え、33以上になると危険度がさらに高まり、熱中症警戒アラートが出されます。去年は北海道から沖縄まですべての地域で出されました」
小野解説委員
「警戒アラートと特別警戒アラートの違いは何でしょうか。熱中症警戒アラートは、例えば埼玉県なら暑さ指数を測る地点が8か所あり、そのうち1か所でも指数の予測が33以上になれば、埼玉県全体にアラートが出ます」
「特別警戒アラートの場合は、都道府県内のすべての観測地点で判断します。埼玉県なら8つの地点全部で予測が35以上になるとアラートが出されます。こういったことは今まで起きたことはありませんが、今年は起こり得るといいます」
「その際には、『広い範囲で過去に例のない危険な暑さになり、人の健康に重大な被害が生じる恐れがある状況』だとして、前の日のうちに警戒を呼びかけるといいます」
小野解説委員
「テレビの画面では、これまでの警戒アラートは紫、特別警戒アラートは黒で表示されるので、覚えておいていただければと思います」
森アナウンサー
「気象の情報では(災害が発生または緊迫していることを示す)『緊急安全確保』や『大雨特別警報』は紫の上の黒で表示していますが、それぐらい危険なのがこの特別警戒アラートになると、覚えておいた方がいいということですね」
小野解説委員
「そうです。ただ、熱中症には予防法があります。対策を実践すれば防げる可能性があります。特別警戒アラートが出たら、もし近くにあれば利用してほしいのが、市区町村が指定する『クーリングシェルター』。涼むための避難場所です」
「暑いことでも知られる埼玉・熊谷市の庁舎の中には、冷房が効いた場所に冷やしタオルが置かれています。熊谷市は公共施設や市内の商店など20か所以上をシェルターに指定し、6月から順次運用する予定です」
「青森・むつ市では市の図書館をクーリングシェルターにしていて、その視聴覚ホールで映画やDVDを上映。涼む時間を楽しい時間にしてもらうことを目指しています。特別警戒アラートが出たら、クーリングシェルターを開放するよう義務付けられています」
小野解説委員
「身近なものとしては、東京・墨田区の薬局があります。去年、区内の約30の薬局と協力して『ひと涼みスポット薬局』を設置しました(今年は6月1日から)」
「涼めるだけでなく、冷やしタオルや塩あめなども配っています。処方箋をもっていない人でも立ち寄って、熱中症対策に役立ててほしいということです」
「去年7月の取材で、りんご薬局立花店・管理薬剤師の勝野純子さんは『お買い物のついでとか、ちょっと休んでもらうというスペースを提供しています』と話していました」
桐谷キャスター
「子どもと一緒に出かける時が一番気を遣うんですよね。外に出て思ったよりも暑かったなという時とか、準備万端にしていても子どもが暑そうな時にすぐ入れる施設があったらうれしいですし、近くにあるのかどうかも確認しておきたいですね」
小野解説委員
「特別警戒アラートが出たら、学校でも会社でもイベントを行う場合の主催者も、熱中症対策を全員が徹底できているか確認し、外出を取りやめたり、イベントを中止したり、リモートワークなどに変更したり判断してくださいと求められます」
河出奈都美アナウンサー
「最近、災害級の暑さという言葉もよく耳にするなと思います。自分だけではなく周りの人の命を守るためにも、特に小さいお子さんや高齢者の方々が暑くないかな?と気をつけたいですね」
小野解説委員
「私たちがすぐできる熱中症対策の取り組みが、暑熱順化。体を暑さに慣れさせるということです。気温が上がって熱中症の危険が高まる前、まさに今頃から、無理のない範囲で汗をかくことなどです」
「日本気象協会が推進する『熱中症ゼロへ』プロジェクトによると、ウオーキングなら30分、ジョギングなら15分。会社の帰り道に1駅分歩くなどもいいでしょうね。お風呂なら2日に1回は湯船につかるなど、無理のない範囲で取り入れてはいかがでしょうか?」
鈴江アナウンサー
「命に関わる暑さ、危険な暑さということで今から対策したいですね」
小野解説委員
「熱中症が年々深刻な問題になる一方で、熱中症警戒アラートについては今ひとつ理解が進んでいないとも指摘されています。アラートについて知って、身を守ってください」
(2024年4月24日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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