能登豪雨から1週間、死者13人に 珠洲市で旅館経営…夫の帰り待つ妻の願いかなわず
能登豪雨から1週間となった28日、新たに2人の遺体が発見され、死者はこれで13人となりました。石川・珠洲市に住む女性は、川に流された夫の帰りを待ち続けていましたが、その願いは叶いませんでした。
石川・輪島市と珠洲市の境、海岸線沿いの国道249号付近で1週間前、豪雨により山の斜面が崩れ、木をなぎ倒して大きな岩や土砂が流れ込み、珠洲市へ向かう道をふさぎました。
付近のトンネル奥に、川に流され行方が分からなくなっていた池田幸雄さんが営む旅館があります。池田さんの妻・真里子さんは、夫婦で50年余り旅館「海楽荘」を営んできました。1週間前、夫婦で旅館の中から外の様子を見ていたところ、近くを流れる垂水川が氾濫しました。
池田真里子さん
「お父さん(幸雄さん)は松の木の間に止まっていた。捕まえようと思ってあと10センチのところで鉄砲水が来て、流れていったと思う」「3日4日(仕事で)いないのが当たり前だったので、また『ただいま』って戻ってくるかなと」
その後、近くの岩場で遺体が見つかり、28日、DNA型鑑定の結果、夫の幸雄さんと確認され、再会は叶いませんでした。そんな中でも真理子さんは、生きている者の務めとして頑張っていかないと仕方ないと話していました。
発生から1週間となる28日、石川・能登町と輪島市では新たに2人の遺体が発見されました。これで能登豪雨の死者は13人、行方・安否不明者は5人となり、29日も捜索が続けられます。