岩手山で地殻変動を観測、初めて噴火警戒レベルを1から2に引き上げ 気象庁
岩手県にある岩手山で、火山活動が活発になっています。山の浅い部分の膨張を示す地殻変動が観測されたことなどから今後、噴火が発生する恐れがあるとして、気象庁は5段階の噴火警戒レベルを初めて1から2に引き上げました。
気象庁によりますと、岩手山では今年2月ごろから山の膨張を示す地殻変動が観測されているということです。7月下旬以降、火山性地震が増えているほか、8月には振幅の小さな火山性微動も観測されるなど、火山活動が高まっている可能性があるとして、臨時の情報を出して注意を呼びかけていました。
さらに、国土地理院が先月末、衛星による観測を行った結果、山の西側の大地獄谷付近の地下の浅い部分で山体が膨らんでいることが分かりました。
これは、地下にある熱水の活動が活発になっているためとみられ、今後、噴火が発生する可能性があるとして、気象庁は午後3時に火口周辺警報を発表し、5段階の噴火警戒レベルを、一番下の「レベル1」から「レベル2」の「火口周辺規制」に引き上げました。
気象庁は、西岩手山の想定火口から、おおむね2キロメートルの範囲では大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。岩手山では2007年12月に噴火警戒レベルが導入されましたが、「レベル2」への引き上げは初めてです。
これまでのところ、地殻変動のデータ以外で火山性地震の回数などに大きな変化は見られていないということです。
岩手山では1919年に山の西側の大地獄谷で、水蒸気噴火が発生しています。
また、1998年には火山性地震が増加して、急激な地殻変動が観測されましたが、このときは噴火には至りませんでした。