16歳以上で免許なしOKに 一部の電動キックスケーター 7月からルール緩和で普及狙いか
これまでは基本的に“原付バイクと同等の扱い”だった電動キックスケーター。7月1日から、一部の電動キックスケーターについて、16歳以上であれば運転免許を持っていなくても利用できるようになります。今回ルールを変えた背景とは。そして、どういったことに注意して乗るべきなのでしょうか。
■16歳以上で“免許なし”運転OKに 時速6キロ以下ならば歩道走行も可能に
有働由美子キャスター
「22日、警視庁が渋谷の交差点で取り締まりをしていたんですが、呼び止めたのは電動キックスケーターの利用者。まもなく新しいルールになることを伝えるチラシを配っていました」
「電動キックスケーター、私もよく利用しています。ボタン一つで進んでいくわけです。都内でもレンタルで手軽に利用できますが、7月1日から新しいルールが加わり、運転免許がなくても、16歳以上であれば誰でも利用できるようになるんです」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「電動キックスケーター、いまは基本的に“原付バイクと同等”の扱いです。運転免許が必要で、法定速度は時速30キロですが、7月1日からは最高速度が時速20キロ以下で、車体の長さが190センチ以下、幅が60センチ以下などといったものに限り、16歳以上であれば運転免許を持っていなくても利用できるようになります」
有働キャスター
「ただ、すべての電動キックスケーター、というわけではないんですね」
小栗解説委員
「そうなんです。走る場所は原付バイクや自転車と同じ車道などで、ヘルメット着用が努力義務。時速6キロ以下であれば自転車が走行できる歩道を走ることも可能です」
「有働さん、ハンドルのボタンを押してみてください。ライトが点滅しましたよね。こうすると、時速6キロまでしかスピードが出なくなります。速度を守っているか、周りの人も確認できますよね。免許がない場合、この機能がついたものしか乗ってはいけないんです」
有働キャスター
「このような電動キックスケーターが、16歳以上なら“免許なし”で乗れるようになるということですね」
小栗解説委員
「ただ、懸念もあります。警視庁によると、電動キックスケーターの取り締まり件数は、今年の5月時点ですでに1039件。去年1年間(1663件)のペースを上回っています。違反の中で最も多いのは、歩道を走行するなどの通行区分違反。次いで、信号無視や一時不停止だということです」
■ルール緩和で普及へ 転倒しやすくヘルメットすべき
小栗解説委員
「それでも今回ルールを変えた背景について専門家(日本事故防止推進機構 上西一美さん)は『世界では電動キックスケーターが普及している。世界基準に合わせてユーザーを増やすためにルールを緩和したのでは』と指摘しています」
「じゃあ、何に注意したらいいのか。電動キックスケーターは車輪が小さいですよね。そのため段差につまずいて転倒しやすいので、任意とはいえ、ヘルメットは絶対に着用した方がいい。また、車や歩行者との距離を十分に保つことを心がけてほしいとおっしゃっていました」
有働キャスター
「廣瀬さんはこの電動キックスケーター、どう思われますか?」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「僕はいままで乗ったことがないのですが、(有働さんが乗っているのを見て)楽しそうだなという気はしました。車道とかちょっと怖い感じがあるのと、ユーザーの皆さんには歩行者や車にも気をつけて乗ってほしいと思いました。あとは、電動キックスケーターに乗るときに『このエリア便利ですよ』といったマップとかがあって、パッとわかるといいなと思いました」
有働キャスター
「私も利用しているので、便利さもわかっているつもりですが、急にルールが変わって歩行者の中には知らない人も最初は多いと思います。事故やトラブルを防ぐためにも、ルールの周知徹底は必要です。もちろん、飲酒運転やスマホの“ながら”運転は禁止ですので、お忘れなく」
(6月22日『news zero』より)