“統一教会”どうなる?解散命令請求 現役2世信者が語る教団内の変化【バンキシャ!】
世界平和統一家庭連合いわゆる“統一教会”。解散命令請求の行方が注目される中、バンキシャが現役の2世信者を取材すると、教団内部である意外な変化が…。信者のもとに届いたメッセージ、そして教団の狙いとは?
◇
9月9日、バンキシャが話を聞いたのは、世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”の現役2世信者。「訪韓ツアーのお知らせということで情報が回ってきてます」と見せてくれたのは、7月中旬に教団から届いたというメッセージでした。
この、韓国を訪問するツアー、開催予定は9月。参加対象は2世信者を中心とした若者で、小学生以下も参加できると書かれていました。その目的は――「真の父母様に直接お会いしたことのない青年学生が、真の父母様と“出会い”をなすことができる貴重な機会」との企画で、参加費は5万円前後、フライト代は支援されるとも書かれていました。
現役2世信者
「韓鶴子の生の姿を見せて、信仰心を高めるということを目的として、このような訪韓ツアーを組んでるのではないか」
その行き先となっているのが、2023年5月にバンキシャが取材した、韓国の山中にあるあの施設――「真っ白い建物が天苑宮ですね。まるで宮殿ですね」
教団の“聖地”に建設され、新たなランドマークになった「天苑宮」の総工費は500億円とも言われ、その多くが日本の信者からの献金だという指摘もあります。中には創始者の文鮮明(ムン・ソンミョン)氏と、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁とみられる巨大な絵が飾られていました。
教団の取材を続けてきたジャーナリストの鈴木エイトさんは、この訪韓ツアーついて、「これまでは日本から韓国に送金、お金を振り込む形でもOKだったのが、この9月からは直接、信者が韓国に行って納めないと“先祖解怨(先祖の慰霊)”ができないとなっています。証拠に残らない形で日本の信者からの献金を韓国の法人に納めようとしてるんじゃないか」と推察しています。
さらに信者に対して、韓国の本部からの指示で「伝道活動(勧誘活動)をやれと。日本の国民の半分が信者になれば全ての問題が解決するとも言っているんですね。命を懸けて伝道しろと言ってるので。伝道と献金。これが教団の2大柱。献金集め、そして伝道活動を、信者に、より課している」とみられています。
その信者たちがいまどう過ごしているのか、現役2世信者の話によると「バーベキューをやったりとか、ハイキングに行こうとか、“統一教会”が取り上げられて事件になってたことは、ある程度忘れてしまっているのかなというくらい、楽しそうにいろんなイベントをやってる雰囲気は感じます」
安倍元総理の銃撃事件が起きる前と同じようにイベントを行っているという一方で、現役2世信者が率直に感じることは、「信者のみなさんはテレビをもう見ないようにしていると思いますね。サタンに操られた報道だという風に教会側に教え込まれてきた歴史があるので。解散命令を受けたら驚くと思います。そしてショックを受けると思います」
政府が慎重に検討をすすめる方針の教団の解散命令請求ですが、教団側は反発を強めていました。これまで文化庁は、“統一教会”に対して、7回にわたる質問権を行使してきました。しかし100項目以上が未回答だったことから、文部科学省は行政罰である「過料」を科すよう、7日、東京地裁に通知を出し受理されました。
そして8日、教団側が開いたのは反論会見でした。教団側の弁護士が「質問権行使は違法で、教団に解散を命じられる事由はない」とした上で、裁判で全面的に争う方針を示しました。
福本修也弁護士
「解散命令請求というゴールにむけて質問権行使が始まった」
「これが法治国家として許されるのでしょうか」
「過料裁判におきましては、却下を求めて全面的に争う所存でございます」
この会見を見た、フリージャーナリストの鈴木エイトさんは、「内部の信者の動揺をまず抑える必要があったと教団が判断したと思われます。ちゃんと教団は国に対してもしっかり異議を申し立てていて、ちゃんとした対応をしていますよという所を信者に見せたかったのではないか」と話しました。
教団側は今後、裁判所が過料を科すことを決定した場合は、即時抗告するとしています。
*9月10日放送『真相報道バンキシャ!』より