ようこそ多国籍商店街へ 多様性でシャッター通りを救え!
商店街にはスパイシーな香りとアジア各国の伝統音楽。終戦から間もなく誕生した福岡市の吉塚市場。地域に住むアジアの人たちと共に“再生”に取り組む。日本人と外国人の間に自然と生まれる人情。しかし、文化や習慣の違いから、互いに葛藤を抱くようになる…
「ナマステ!(こんにちは)」
ようこそ!ここは博多の多国籍商店街。
客「異国な感じですよね。ちょっとここの場所だけ」「かわいくない?かわいい」
ミャンマーのお釈迦様や、ヒンズー教の神様たちも祀(まつ)られました。
博多駅からたった1駅の場所にある『吉塚市場リトルアジアマーケット』。最盛期には150店以上が軒を連ねましたが、商店街はやがて、シャッター通りに。
この窮地から抜け出そうと、国の補助金などを利用しアジア各国の飲食店などを誘致しました。2020年9月の説明会では。
吉塚商店連合組合・河津善博組合長「“なんで外国人なんだ”、とおっしゃるのも分からなくはないんです。“日本人だけでいいんじゃないか?”と言われるけど、現状を見てください」
2020年12月、『リトルアジアマーケット』として生まれ変わった、吉塚市場。目指すは昭和気質な人情と、アジアの多様性が融合する商店街です。
廃業した銭湯で営業するレストラン『若桜湯』。店長はミャンマー出身のトン・アウン・チョさん(30)。
チョさん「お互い知ることは大切です。売り上げも上がって、にぎやかにしたい」
チョさんは、毎朝、欠かさず商店街のトイレ掃除をしています。
チョさん 「おじいさん、おばあさんしかいないから、私がやったほうがいいと思って。掃除はすごく簡単だから」
少しでも売り上げの助けになればと、商店街のお店から食材を仕入れています。
豆腐店の女性「みんな日本の母、チョくんの」
チョさん「家族多い」
2022年4月。商店街が一丸となって開いたイベント。『吉塚市場カレー&スパイスマーケット』。
チョさん「いらっしゃいませ!どうぞ。ミャンマーのチキンカレーでございます」
店員「これは“カレー”? “彼”?」
客の少年「カレー!“彼”じゃない」
日本人のお店も繁盛していました。商店街がこんなににぎわったのは、久しぶりです。
かまぼこ店の男性「よかった!今回は。少し笑顔になった俺も」
その半月後に行われたのは、ミャンマーの正月を祝う『水かけ祭り』。音楽に合わせて踊り、幸せを願って水をかけ合う伝統行事です。
しかし商店街の一部の人から、音量の注意を受けてしまいました。
チョさん「(音楽が)大きく出ていないと楽しくない」
自分たちには、当たり前のことが迷惑になる。知らず知らずのうちにチョさんは、息苦しさを募らせていました。
チョさん「ミャンマー人は歌ったり音楽だったり、『あー飲んでね!歌って!いいよ、拍手!』とかやったら、どんどんどんどん飲んで、それ、好きじゃない人がいます」
『水かけ祭り』から5か月後の2022年9月。チョさんの姿は、店にありませんでした。商店街を去ることに…。
チョさん「(自分が)邪魔になったら私、楽しくない。仕事もやりたくない」
チョさん「今日でお世話になりました。悲しいです」
精米店の男性「がんばれよ」
豆腐店の女性「さみしくなるやない」
チョさん「私も悲しいです」
豆腐店の女性「みんなチョくんが、子どもみたいやったけん」
ミャンマー人の知人のつてを頼って、大分県にある工場で働くことにしました。多様性を認め合う。それは口で言うほど簡単ではないけれど…。
チョさんが働いていたミャンマー料理店のオーナー「当然、彼らのルール、常識をまず聞くってことですね」
漬物店の女性「なんかこう一歩踏み込めんっていうかね。島国根性かな、日本人のね。やっぱり直さんといかんよね」
少しずつ商店街の人たちも変わろうとしていました。
鮮魚店の女性「すれ違いながら、いつかはどこかで一緒に接点が合うようなね」
ネパール料理店の男性「(互いに)嫌なことになったら、『もういいよ』じゃなくて。ゆっくり一時停止で頑張って、その間に一度どっかで同じ道になるんじゃないですか」
2023年1月8日放送 NNNドキュメント’23『ようこそ多国籍商店街へ 多様性でシャッター通りを救え!』をダイジェスト版にしました。
ようこそ!ここは博多の多国籍商店街。
客「異国な感じですよね。ちょっとここの場所だけ」「かわいくない?かわいい」
ミャンマーのお釈迦様や、ヒンズー教の神様たちも祀(まつ)られました。
博多駅からたった1駅の場所にある『吉塚市場リトルアジアマーケット』。最盛期には150店以上が軒を連ねましたが、商店街はやがて、シャッター通りに。
この窮地から抜け出そうと、国の補助金などを利用しアジア各国の飲食店などを誘致しました。2020年9月の説明会では。
吉塚商店連合組合・河津善博組合長「“なんで外国人なんだ”、とおっしゃるのも分からなくはないんです。“日本人だけでいいんじゃないか?”と言われるけど、現状を見てください」
2020年12月、『リトルアジアマーケット』として生まれ変わった、吉塚市場。目指すは昭和気質な人情と、アジアの多様性が融合する商店街です。
廃業した銭湯で営業するレストラン『若桜湯』。店長はミャンマー出身のトン・アウン・チョさん(30)。
チョさん「お互い知ることは大切です。売り上げも上がって、にぎやかにしたい」
チョさんは、毎朝、欠かさず商店街のトイレ掃除をしています。
チョさん 「おじいさん、おばあさんしかいないから、私がやったほうがいいと思って。掃除はすごく簡単だから」
少しでも売り上げの助けになればと、商店街のお店から食材を仕入れています。
豆腐店の女性「みんな日本の母、チョくんの」
チョさん「家族多い」
2022年4月。商店街が一丸となって開いたイベント。『吉塚市場カレー&スパイスマーケット』。
チョさん「いらっしゃいませ!どうぞ。ミャンマーのチキンカレーでございます」
店員「これは“カレー”? “彼”?」
客の少年「カレー!“彼”じゃない」
日本人のお店も繁盛していました。商店街がこんなににぎわったのは、久しぶりです。
かまぼこ店の男性「よかった!今回は。少し笑顔になった俺も」
その半月後に行われたのは、ミャンマーの正月を祝う『水かけ祭り』。音楽に合わせて踊り、幸せを願って水をかけ合う伝統行事です。
しかし商店街の一部の人から、音量の注意を受けてしまいました。
チョさん「(音楽が)大きく出ていないと楽しくない」
自分たちには、当たり前のことが迷惑になる。知らず知らずのうちにチョさんは、息苦しさを募らせていました。
チョさん「ミャンマー人は歌ったり音楽だったり、『あー飲んでね!歌って!いいよ、拍手!』とかやったら、どんどんどんどん飲んで、それ、好きじゃない人がいます」
『水かけ祭り』から5か月後の2022年9月。チョさんの姿は、店にありませんでした。商店街を去ることに…。
チョさん「(自分が)邪魔になったら私、楽しくない。仕事もやりたくない」
チョさん「今日でお世話になりました。悲しいです」
精米店の男性「がんばれよ」
豆腐店の女性「さみしくなるやない」
チョさん「私も悲しいです」
豆腐店の女性「みんなチョくんが、子どもみたいやったけん」
ミャンマー人の知人のつてを頼って、大分県にある工場で働くことにしました。多様性を認め合う。それは口で言うほど簡単ではないけれど…。
チョさんが働いていたミャンマー料理店のオーナー「当然、彼らのルール、常識をまず聞くってことですね」
漬物店の女性「なんかこう一歩踏み込めんっていうかね。島国根性かな、日本人のね。やっぱり直さんといかんよね」
少しずつ商店街の人たちも変わろうとしていました。
鮮魚店の女性「すれ違いながら、いつかはどこかで一緒に接点が合うようなね」
ネパール料理店の男性「(互いに)嫌なことになったら、『もういいよ』じゃなくて。ゆっくり一時停止で頑張って、その間に一度どっかで同じ道になるんじゃないですか」
2023年1月8日放送 NNNドキュメント’23『ようこそ多国籍商店街へ 多様性でシャッター通りを救え!』をダイジェスト版にしました。