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【解説】待ったなしの物流2024年問題 政府の「政策パッケージ」は解決策となるか? そして構想が進む新たな物流システムとは

2023年11月22日 11:40

ただ、「混載」と「入れ替え」はまず荷主と運送業者とが連携を強めることが重要となります。

■船や貨物列車利用した輸送…「倍増」目標も実現性は?

政府は船や列車などでの運搬を今後10年程度で、現在の2倍にするという案を出しています。ただ立教大学・首藤教授によりますと、トラック業界にだけでなく、フェリー船や貨物列車の業界でも人手不足の問題を抱えており、多少の積載量の効率化は図れても輸送量2倍は難しいのではないかと指摘しています。

■海外でも深刻な物流問題 地下トンネルで自動輸送?驚きの対策も

スイスでは貨物交通量が2040年までに約4割増加することが予想され、新たな輸送手段が必要とされています。そこで、物流専用道として主要都市を結ぶ地下トンネルを建設し、自動運転カートを走行させる物流システムの構築が計画されています。

地下トンネルはスイスを横断するような形で全長500㎞にも及び、自動運転ということで24時間態勢での走行が可能となっています。建設費用は約5兆円。インフラの建設・システム運営に公的資金は投入されず、民間資金で実施されました。この物流システムは2031年に一部運用開始を目指しているということです。

また、イギリスでは既存の線路を活用した自動運転による物流システムが考えられています。電車が走る横に新しく物流専用レールを敷き、荷物を運ぶというもので、比較的小さい荷物の輸送となりますが、既存の線路空間を活用することで大きなコストカットとなっています。2028年から2030年にかけての運用開始を目標としているということです。

■日本で検討中の新たな物流システムとは?

日本でも道路空間を再利用し、路肩や中央帯を活用した「自動物流道路」という輸送方法が検討されています。

東京外環道では現在、大泉ジャンクションから、その先の東京方面に向けてのトンネル工事が行われていて、工事によって出る土砂を路肩や中央帯の中に設置されたベルトコンベアを使って約6キロ離れた仮置き場まで運搬しています。このシステムにより、10トンダンプ50万台分を削減出来ているということです。

このシステムをそのまま物流システムに転換できるということではありませんが、このような形で既存の道路空間を使うは新しい物流形態が検討されています。

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