【気象解説】“最強寒波”今後の見通し 警戒続く大雪はいつまで?
数年に一度の強い寒気の影響で、全国の広い範囲で大雪となっています。今後の見通しなどを気象予報士の木原実さんに聞きました。
■連日の“ドカ雪” 24時間で1メートルに迫る降雪
数年に一度の強い寒気が日本列島に居座る影響で、連日のようにどこかで大雪となっています。5日(水)朝には新潟県内で24時間で1メートルに迫る“ドカ雪”となりました。また、西日本の太平洋側といった、普段雪の降らない地域でも積雪となるなど、全国各地で寒波の影響が出ています。
■寒気の強さを示すバロメーター「離岸距離」とは?
気象衛星ひまわりの映像でも、4日(火)正午段階で日本海には大陸のすぐ近くからびっしりと筋状の雲(雪雲)が発生していて、いわゆる冬型の気圧配置となっています。
5日(水)午後段階でも筋状の雲は大陸からなかなか離れません。この岸から雲までの距離「離岸距離」が狭ければ狭いほど、寒気が強いことを示しています。この先もシベリア付近に存在する寒気が次々と流れ込むため、まだ数日間は寒気の強い状態が続く見込みです。
■危険な雪の原因“JPCZ”も出現
日本海上で冷たい風同士がぶつかることで発生する活発な帯状の雪雲、これが大寒波の度に出てくる通称「JPCZ」と呼ばれるモノです。「JPCZ」とは日本海寒帯気団収束帯(Japan-sea Polar airmass Convergence Zone)のアルファベット頭文字を取った呼び方です。
この発達した雪雲が流れ込むと、わずか数時間で大量の雪が降り、積雪が急増、つまり危険な雪となるおそれがあります。5日(水)夜以降も日本海側を中心に広い範囲で雪が降り続く見込みです。特に、北陸や東北南部には発達した雪雲が次々に流れ込み、降り方が強まるおそれがあります。
■8日(土)に再び強い寒気南下
寒気は5日(水)夜から一度目のピークを迎えます。7日(金)には一時的に寒気が弱まる見込みですが、8日(土)には再び強い寒気が南下。日本海側を中心に再び大雪となるおそれがあります。特に、すでに大雪となっている地域では、さらに積雪が増える可能性があり、まだまだ予断を許さない状況が続きます。改めて大雪が長く続く影響で、大規模な車の立ち往生や交通障害などが発生するおそれもあります。十分に警戒してください。