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広島 祈りの一日 3年ぶり市民参加し「とうろう流し」

2022年8月7日 1:05
広島 祈りの一日 3年ぶり市民参加し「とうろう流し」

広島は77回目の「原爆の日」を迎えました。平和記念式典には、国の内外から2800人余りが参列しました。

77年前の「あの日」と同じような暑い一日を予感させる夜明け前、広島市の平和公園には、車いすに乗った95歳の被爆者の姿がありました。

被爆者「友達がなぜ焼け死ななければならなかったのか、生き残れなかったのか。私が生きているだけに、悔しくてなりません」

安倍元総理の銃撃事件を受け、平和記念式典の会場は、例年以上の厳しい警備態勢が敷かれました。

会場には、3年ぶりに一般席が設置され、国連のグテーレス事務総長や99か国の大使のほか、被爆者やその遺族など、あわせて2854人が参列しました。

この一年で死亡を確認した広島の被爆者は4978人で、原爆慰霊碑に眠る死没者は、33万3907人になりました。

広島市の松井市長は平和宣言で、被爆地・広島選出の岸田総理を前に、さらに踏み込んだ核兵器廃絶への姿勢を示すように求めました。

広島市・松井一実市長「次回の(核兵器禁止条約の)締約国会議に(政府は)ぜひとも参加し、一刻も早く締約国となり、核兵器廃絶に向けた動きを後押しすることを強く求めます」

それでも、岸田総理が「核兵器禁止条約」の参加に踏み込むことはありませんでした。

午後6時からは、原爆ドームの前の元安川で、3年ぶりに一般の人が参加しての「とうろう流し」が行われました。4000個の灯ろうが川面を照らし、祈りの一日を締めくくりました。

全国の被爆者はこの一年で9000人近く減り、11万8935人となりました。平均年齢は初めて84歳を超え、84.53歳となっています。