コロナの影響で停止…3年ぶり「国際クルーズ船」運航再開 経済効果に期待も…市民から不安の声
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で新型コロナウイルスの大規模な感染が発生してから停止していた「国際クルーズ船」の運航が、3年ぶりに再開しました。
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田中耕平記者
「きょう、約3年ぶりに、国際クルーズ船として『にっぽん丸』が横浜港を出港します」
新型コロナの影響で停止していた国際クルーズ船の運航。15日に出港する大型客船「にっぽん丸」から、約3年ぶりに再開されます。
乗客
「コロナ前に1回申し込んだけど、コロナで中止になったので、今回はすごくうれしいです」
国際クルーズ船の運航は2020年、「ダイヤモンド・プリンセス」で“大規模クラスター”が発生して以来、停止していました。先月になり、業界団体が感染対策などをまとめたガイドラインを策定。これを受け、国交省が運航再開を発表していたのです。
15日に出港する「にっぽん丸」では、乗客は、乗船2週間前と当日のPCR検査の陰性証明が必要な他、船内のレストランなどを利用する際には、2次元コードで座席を記録し、陽性者が出た場合、船側がその行動をたどることができるようにしています。
さらに、船内に隔離フロアを設置。陽性患者や濃厚接触者専用の部屋を用意しているといいます。
船医
「発熱等でコロナ感染が疑われる乗客を診察する部屋になります」
感染対策を徹底した「にっぽん丸」。インド洋の島国モーリシャスや、マダガスカルなどを巡る旅に出ます。
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国際クルーズ船の再開には、自治体も期待を寄せています。
静岡県の清水港には来年3月、コロナ禍以降、初めてとなる外国籍のクルーズ船が寄港する予定です。
静岡県港湾振興課・佐野真侑子さん
「(乗客の)観光消費が大きくなっていて、経済波及効果も大きいと考えています」
港近くの商業施設も――
ドリームプラザ・大井一郎社長
「1杯(1隻)あたり数百万円の効果はある。また活気が戻ってくるのかなと思っています」
外国人観光客の経済効果に期待の声が上がる一方、市民からは不安の声も聞かれました。
静岡市民
「コロナがまた、これだけでかくなってきていると、経済効果よりも感染拡大の方が怖いですね」
船で陽性者が出た場合、基本は船内での隔離対応となっていますが、重症患者などの場合は寄港先の自治体が対応することになっています。
静岡県港湾振興課・佐野真侑子さん
「(重症患者などは)検疫所、保健所、救急などで搬送をする手はずを整える。そういう形で調整を進めていこうと思っています」
市民の不安の払拭も求められる国際クルーズ船の運航再開。現段階で、海外からは166本のクルーズが予定されています。