県外医師が県内で“後方支援” 被災地支援の新たな動き 地域医療を支える 民間レベルで連携
能登半島地震で被災地での支援にあたる県内の医師に代わって、県外の医師が福井の地域医療をサポートする新たな取り組みが始まっています。(1月18日)
■診療風景
「僕は愛媛県から来たんですよ。お手伝いに。ここに来たら雪があるけん、びっくりした。いつもはもっと降るらしいね」
勝山市元町の勝山オレンジクリニックでは18日、いつもの医師に代わって愛媛県から駆けつけた医師が患者の診察にあたりました。
能登半島地震の発生以来、このクリニックの医師らが被災地で支援活動を続ける中、在宅医療に関係する全国の医療法人が連携して福井での診療をサポートする、いわば「後方支援」をスタートさせました。
■勝山オレンジクリニック・上村慶太医師
「1人来てくださるだけでも心強い。今の(福井での)日常を大切につくっていくことも被災地支援の形なのかなと思っています」
■医療法人ゆうの森(愛媛県松山市)・永井康徳医師
「自分たちの支援したい気持ちを優先するよりも、今どんな形で被災地に関わることが大切で、被災地の人のためになるのかを最優先に考える支援が必要になってくる」
クリニックでは事情を説明する文章を待合室に掲示して患者にも理解を求めています。
■診察を終えた患者
「(このクリニックには)親切にしていただいているので、そんなに違和感はない。特別にその先生じゃないとあかんという気持ちはない」
いつどこで起きるか分からない災害。今回の経験をもとに支援体制のあり方を検証するなど、万が一の事態に備える考えです。
■医療法人ゆうの森(愛媛県松山市)・永井康徳医師
「できることを支援していく。それはまたこちらが当事者になった時も返ってくるもの。しっかりできることは支援していきたいというのが今の気持ちですね」
能登半島地震をきっかけに始まった民間レベルでの医療現場の新たな連携の形。今後も全国から医療スタッフが県内に応援に来る予定で、切れ目のない支援に向けて被災地から離れた場所でも試行錯誤が続きます。