田んぼの中をスイスイ “除草ロボット”開発中 農薬使わずコメ農家の負担軽減 ブラシで土をかき回す
コメ農家にとって大変な水田の雑草取り。負担軽減につなげようと、福井市のIT企業で農薬を使わない除草ロボットの開発が進められています。
■リポート・東海佳奈子キャスター
「いました。田んぼの中を進んでいるのがロボットです。ソーラーパネルをつけていますね。腕にはブラシみたいなものが付いています。除草してくれるということです。頑張っていますよ」
よく見ると犬の顔をした除草ロボット。雑草が生えないように田んぼを見回る番犬をイメージしていて、アイガモ農法のいわばロボット版です。
近所の人も興味津々の様子…。
■近所の人
「初めて見たけど、アイガモよりかわいい。本当にきれいに(雑草)取れるんかなと思って」
ロボットを開発しているのは、福井市のIT企業ナチュラルスタイルの松田優一さんです。国は2050年までに農薬の使用量を50%減らす目標を掲げていて、勝山の兼業農家に育ち、コメの無農薬栽培にも興味を持つ松田さんは、ITの力で農薬を減らしたいと取り組んでいます。
■松田優一さん
「田ブラシと呼ぶブラシが腕に付いていて、ブラシを回すことで自分自身も進むけど、田んぼの土の表面をかいていくので、土がにごったり、表面に生えたばかりの弱い雑草たちが浮かされたりしてしまうのを狙ってやっている」
松田さんは子どもたちにも除草ロボットに興味を持ってもらおうと、先日、鯖江市の片上小学校でプログラミングの特別授業を企画しました。
■授業で話す松田優一さん
「コメが減るとかそういうレベルじゃない。雑草って植えた稲が全部枯れて、コメの収穫がゼロになります」
児童たちは早速、ロボットがどんな動き方をするとくまなく除草できるのか想像しながら、プログラミングします。
いよいよ水田で実験です。思うように進むのでしょうか。
■児童
「(どんな風に動かしたかった?)前に行って戻ってきて、こう行くようにしたかった」
自分たちがプログラミングした通りに動くロボットに、子どもたちも夢中です。
■児童
「まず前進したら曲がって前進するっていうプログラムを組みました。うまくできそう。結構進んでいっているので。こういうロボットを使うのは初めてなので、興味を持ちました」
除草ロボットは県内を含む全国200か所の水田で実証実験中で、今年のデータを元に改良を重ね、来年の一般発売を目指すということです。