再建に向け福井で歩み続ける 地震で被災した輪島の老舗酒蔵が永平寺町で仕込んだ酒が完成
能登半島地震で被災した石川県輪島市の老舗酒蔵が永平寺町で仕込んだ酒が10日に完成し、再建に向けて福井の地で着実に歩みを進めています。
輪島市の老舗酒蔵白藤酒造店の9代目蔵元白藤喜一さんです。
1か月前に福井の地で始めた能登の酒づくりは10日に初しぼりの日を迎えました。
白藤酒造店9代目蔵元 白藤喜一さん
「神様もついてくれる。きっとおいしいお酒になると信じている。」
白藤さんの酒蔵は能登半島地震で被災。酒づくりができなくなる中「能登の酒を止めるな」を合言葉に、クラウドファンディングで資金を集め、被害を免れた酒米や金沢酵母などを使って、永平寺町にある「シンフォニー吉田酒造」の設備を借りる形で酒づくりを再開しました。
シンフォニー吉田酒造杜氏 平賀悟執行役員製造部長
「再建の手助けが少しでもできたことはすごくうれしいこと。一緒に仕事をすることができてものすごく勉強になったのでありがたい。」
白藤酒造店の看板商品、特別純米酒「奥能登の白菊」はこうじづくりに兵庫県産の山田錦を使用。
そこに石川県産のコメ「五百万石」を加え仕込み作業が続きました。
およそ1か月を経て完成した能登の酒。
「すごい香りのいいお酒」「金沢酵母らしいいい感じ」
「白菊らしい爽やかな香りと上品な甘みと後味がきれいなお酒に仕上がった。」
白藤酒造店顔9代目蔵元 白藤喜一さん
「能登の酒は私だけでなく、能登の酒蔵は日本酒だけでなくてワイン・ビールもみなさん被災されているので、復興のきっかけになればいいなと思う。」
被災地能登を離れ、福井の地でつくられた「奥能登の白菊」。
来月上旬には一般販売も予定していて、老舗酒蔵は再建へ向けて着実に歩みを進めています。
*今回作った酒は720ミリリットルで3300本。