「なぜ核汚染水を流すんだ」…中国「86」着信からの抗議 福島の飲食店は今年も困惑 福島
去年8月の福島第一原発の処理水海洋放出後、一時、中国からの迷惑電話が相次いだ問題がありましたが、処理水放出から来月で1年となる今、再び福島市内の飲食店に処理水放出に反対する迷惑電話が増え始めていて、一部店舗では営業に支障が出ています。
去年も殺到した迷惑電話で営業に支障も
去年8月の福島第一原発の処理水海洋放出後、中国からの着信を示す「86」の電話番号から、片言の日本語で「あなたたちはなぜ排出するのか、あなたたちはバカ。なぜ排出するのか」といった非難や、中国語で暴言を吐くなどといった膨大な数の迷惑電話が県内の飲食店や行政施設などに相次ぎ、予約が取れないなどの被害が出ていました。
7月6日から中国からの迷惑電話が急増
福島市の「いち豚福島本店」などを経営する山本一平さんによりますと、数か月前から断続的に「86」の中国からの迷惑電話がかかってきていましたが、週に数回程度で営業に支障がでるほどではなかったといいます。去年、迷惑電話の被害にあった経験があるため、電話を取るなどの対応しませんでしたが、7月6日は、営業開始から立て続けに15件の迷惑電話がかかってきたことから、1度電話に出てみたところ…。
電話の相手「…」
店員「もしもし?」
電話の相手「(女性の片言の声で)しね!ばか!」
仕事にならず、店では電話線を抜いたということです。
中国語で「なぜ核汚染水を流すんだ」
そして、しばらくして、電話線を元に戻した途端、「86」からの着信が相次ぎ、電話が鳴りやまない状態が続いたといいます。意図を確認するため、電話に出たところ、中国語で怒鳴るように次のように話していたことが分かりました。
「なぜ核汚染水を流すんだ!」
「福島に何の権利があるんだ!」
1年前と同様、福島第一原発の処理水海洋放出に対する抗議の電話であることが分かりました。
山本さんは「お客様の予約が取れず、困っている。売り上げもその分下がるし、正直なところ迷惑してる」と話しています。
※タイトル「89」は「86」の間違いでした、訂正いたします。