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夜間の運転は「ハイ」ビームで歩行者に「チュウ」意!栃木県警がハイチュウ作戦展開

2022年9月22日 21:14
夜間の運転は「ハイ」ビームで歩行者に「チュウ」意!栃木県警がハイチュウ作戦展開
パッケージにもキャッチフレーズが

9月21日から全国で「秋の交通安全週間」が始まった。栃木県警の宇都宮中央警察署では22日、「夜間の原則ハイビーム」を訴えるため、森永製菓の「ハイチュウ」の人気にあやかり、夜間の歩行者事故抑止を呼び掛けた。なぜ「ハイチュウ」なのか。

■そもそも警察はダジャレやモジリが多い?

都道府県警は日ごろから交通安全や犯罪被害防止のための取り組みをしている。街頭でのイベントや幹線道路沿いの大型商業施設などでグッズや啓発品を配ることも多い。取り組みを周知し、県民や市民に注意を促すための啓発品だ。

しかし、なぜかダジャレのようなものが多い。栃木県警でいうと、簡単なところでは「梨」の配布があった。これは、交通事故ナシ(梨)というダジャレ。

そして、詐欺被害防止を訴えて配られたのは「騙されませんべい」である。こちらは他の県警でも同じアイデアの煎餅が配られているようだ。

千葉県警では暑い時期の子供の車内放置を防ぐため「STOP!オキザリスるな!」というキャンペーンを展開した。カタバミの仲間で愛らしい花をたくさん付ける「オキザリス」の球根を配布するのかと思いきや、車内に子「リス」を放置しているお母さん「リス」に注意する警察官の寸劇で危険を訴えたようだ。

今回「ハイチュウ」作戦を展開する宇都宮中央署では、この春の交通安全週間に自転車事故防止を訴えレトルトのカレーを配布した。「しっ(Curryルー)ルを守ろう」と呼び掛けたのだ。では、今回の「ハイチュウ」は?

■意外と多い?車と歩行者の接触事故

栃木県警によると、県内で発生した車と歩行者の接触事故は、昨年までの5年間でおよそ800件にのぼるという。そのうち、車のライトを上向きにする「ハイビーム」で走行していたケースは1件もなかったという。今年は8月までに79件の事故が発生し、ハイビームにしていたが起こってしまった事故が1件あった。ハイビームにしていれば防げた事故も少なくなさそうだ。

何とか夜間の歩行者の事故を防ぎたい県警は、これまでも「夜間の運転は原則ハイビームで、状況によりこまめな切り替えを」などと注意喚起を行ってきた。そして今回発案されたのが「夜間は原則(ハイ)ビームで歩行者に(チュウ)意して」というキャッチフレーズ。やはりダジャレだった。

秋の交通安全県民総ぐるみ運動の「ハイビーム徹底強化の日」となった22日、宇都宮市内にある道の駅「ろまんちっく村」では夜間の歩行者事故抑止を呼び掛け、宇都宮中央署による広報啓発活動が行われた。県トラック協会宇都宮中央支部の支援を受け用意された森永製菓の「ハイチュウ」960パックが、警察官らの手によって来場者に配布された。会場には反射材用品なども並べられ、来場が自由に持ち帰っていった。来場者にも好評のようだった。

■ダジャレ、それは熱い思いから

発案者である宇都宮中央署の小口正宏交通総務課長に、このキャッチフレーズの意図や思いを聞いた。

宇都宮中央署・小口正宏交通総務課長
「交通安全は情報発信。いかに分かりやすく届けるかが重要。ベタな語呂合わせかもしれませんが、それで人の記憶に残れば…」

そこには「みなさんが注意するきっかけになるようなメッセージを届けたい」という思いがあった。決してダジャレなんかではないのである。

「安全運転」、「事故防止」…。これまで何度も聞いてきたフレーズ。それを聞き流さず、心に留め置いてもらえるよう、小口課長らは常にアイデアを絞っている。

秋の交通安全週間、全国各地で各都道府県警がさまざまなイベントや取り組みを行っている。みなさんも買い物やドライブの途中でそんな光景に出合うかもしれない。そんなときはぜひ、聞き飽きたかもしれない「安全運転」や「事故防止」について、考えてみてはいかがだろうか。「交通安全週間」は、きっとそのためにあるのだから。

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