【中学生2人殺傷】犯罪心理に詳しい専門家に聞く犯人像 防犯カメラは数が少なく不鮮明 警察はドラレコなど情報提供を呼びかけ 北九州市
福岡県北九州市のファストフード店で、中学生の男女2人が男に刺され、女子生徒が死亡した事件です。これまで被害者の周辺にトラブルは確認されておらず、警察は“通り魔的な犯行”との見方を強めています。
■児玉悠一朗記者
「警察官が住宅街を捜査しています。」
18日も続く警察官による捜査。警察は、現場から数キロ離れた防犯カメラも調べていることが分かりました。捜査の範囲を広げているとみられます。
誰もが利用するファストフード店で起きた事件から4日、いまだ犯人は捕まっていません。
事件が起きたのは14日、土曜日の夜です。マクドナルド322徳力店を訪れていた中島さんと、同じ中学校の友人で15歳の男子生徒が突然、男に刃物のようなもので刺されました。
腹部を刺され死亡した中島さんは、高校受験のための塾帰りだったとみられています。事件を受け、現場近くの学習塾には「施錠中」という張り紙がありました。
■学習塾の関係者
「玄関まで出て、生徒を迎え入れることをやっています。保護者からの要請もありましたし、安心して通塾できるような環境を整えないといけないと考えています。」
17日夜、殺害された中島さんが通っていた中学校では、臨時の保護者会が開かれました。
■白野寛太記者
「これから、臨時の保護者会が行われるということで、保護者のかたが駆けつけています。」
参加した保護者によりますと、学校側からは生徒に登校を無理強いしないことや、子どもだけでの外出を控えるよう話があったということです。
市の教育委員会によりますと、市内の小・中・高校などでは18日も合わせて2103人が、事件に対する不安などを理由に登校しませんでした。
中島咲彩さん(15)は明るい性格で、みんなのムードメーカーだったといいます。誰が少女の未来を奪ったのか。腰を刺され入院中の男子生徒は「知らない人に刺された」と話しているといいます。
警察は中島さんのスマートフォンの履歴などを調べていますが、これまでに事件につながるようなトラブルは確認されていないということです。
また、事件が起きた店舗とトラブルを抱える人物の情報も浮上しておらず、警察は“通り魔的な犯行”との見方を強めています。
中島さんと男に面識がなかったとすると、どんな犯人像が浮かび上がるのか。今も逃走中の男は、40歳くらいで身長170センチくらいの中肉、逃走時は、黄色っぽいサンダルのようなものを履いていました。
犯罪心理に詳しい専門家は、犯人の格好が特徴的である点に注目します。
■福岡大学 人文学部文化学科・大上渉教授
「犯人が軽装でサンダルを履いていたという点ですが、犯人が事件現場の近隣に住んでいる可能性が示唆される。」
動機については、次のような可能性があるとみています。
1つめは、無差別に抵抗ができなそうな子どもを狙ったというもの。
2つめは、自分の人生の劣等感や嫉妬心から、幸せそうに見える人を狙った可能性です。
また、季節外れな格好や服装への無頓着さと捉えると、薬物使用の可能性なども考えられるといいます。
■大上教授
「体格的に体力的に抵抗されにくいとして、被害生徒達が不幸にも選ばれてしまったというのが一番、可能性が高いのかなと。」
警察は防犯カメラの解析を進めていますが、繁華街に比べて数が少ない上、犯行時間が夜間で不鮮明なものも多く、犯人の逮捕につながるような有力な情報は少ないということです。
■元木寛人アナウンサー
「捜査本部が置かれる小倉南警察署です。警察は少しでも事件に関連する可能性がある情報があれば寄せてほしいとしています。」
警察は、事件発生時に現場近くを通りかかった人などに、ドライブレコーダー映像などの情報提供を呼びかけています。