福岡県立高校でSNS投稿めぐり“いじめ” 『重大事態』に学校「基本的には被害者に寄り添う」
福岡県北九州地区の県立高校で、1年生の女子生徒がいじめを受け、学校が加害生徒を指導したあとにも暴行を受けてケガをしていたことがわかりました。学校は保護者からの要請を受け、『重大事態』に認定しています。
学校によりますと、ことし4月、入学直後の女子生徒がSNSの投稿内容などを巡って、同級生の女子生徒3人から筆箱やカバンを教室の窓から投げ捨てられるなどしました。
学校側はいじめとして認知し、加害生徒3人に指導しましたが、翌5月、被害生徒は3人のうちの1人から髪の毛を引っ張るなどされ、首にケガをしました。
被害生徒は警察に被害届を提出。警察によりますと、ケガをさせた生徒はことし8月、傷害容疑で書類送検され、その後、家裁に送致されたということです。
学校は被害生徒の保護者からの要請を受け、9月下旬『重大事態』に認定しました。
■高校の副校長
「基本的には被害者に寄り添った形になるので、申し出があれば当該生徒や周囲の生徒を含めて事実確認している。今後もそういった形の対応になる。」
また、重大事態の認定まで約4か月かかった理由について、学校側は、「5月の段階では、総合的に判断して重大事態にあたるとは考えていなかった」と説明しています。
いじめの『重大事態』についてです。
いじめ防止対策推進法では、①生徒が心や体などに重大な被害が出たり、②不登校になったりした場合を『重大事態』と定義しています。
文部科学省はこの『重大事態』について、被害者や保護者からの申し立てがあれば、調査するようガイドラインで定めています。
その一方で、福岡県のいじめの認知件数は2010年度以降、右肩上がりで増加し、昨年度は2011年度の約25倍となっています。重大事態の件数も、公表されている過去3年間、増加し続けています。