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中山間地域の魅力満載『さとやまマルシェ2024』 特産品や教育で「里山を未来に繋げたい」 地域の人々の思いを徹底プレゼン!【アナたにプレゼン・テレビ派】

2024年2月28日 14:35
中山間地域の魅力満載『さとやまマルシェ2024』 特産品や教育で「里山を未来に繋げたい」 地域の人々の思いを徹底プレゼン!【アナたにプレゼン・テレビ派】

広島テレビのアナウンサーが気になるテーマを自ら取材してお伝えする『アナたにプレゼン』。宮脇靖知アナウンサーが、産品だけではなく、その奥にある人や地域を伝えることを実現する『さとやまマルシェ2024』をプレゼンします。

そごう広島店で3月3日まで開催されている『さとやまマルシェ2024』は、中山間地域の魅力を伝えるイベントで、里山や里海の物産が並んでおり、生産者や出展者を応援する企画です。生産者は、広島県が作るコミュニティ「ひろしま里山・チーム500」という、里山を未来に繋げるために活動しています。産品だけではなく、その先も見てほしいという出展者や生産者が、時にはこの場で説明をしてくれるということです。

伝統を生かしつつ、新しいことにもチャレンジ!

その中で紹介したいものが、北広島町大朝の『福光酒造のどぶろく』です。「どぶろく」とは、お米を溶かしたあと、搾らず残して、お米の成分をそのまま瓶に詰めているお酒です。福光酒造は、もともと日本酒を造っていましたが、なぜ、どぶろくを造ることになったのでしょうか。

『福光酒造』の4代目・福光寛泰さんは、杜氏・蔵元を務めています。2007年に、先代が病に倒れて廃業したことで、お酒を作る免許・清酒醸造免許を国に返納しました。福光さんは、以前勤めていた山口県の酒蔵に戻り、2015年に蔵元に就任しました。しかし、「日本酒を造ろう」とした時に、免許を返納していたため、製造することができませんでした。免許がないとお酒を絞ることができません。免許は1度返納すると、新しく交付されることがないため、日本酒の酒蔵も、減ることはあっても、増えることは基本的にないそうです。

そこで福光さんは、2006年に広島県で初めて北広島町が「どぶろく特区」に認定されたことと、米作りも盛んなことから、2019年に、13年ぶりに酒造りを再開しました。そもそも「どぶろく特区」は、お酒を絞らないこと、どぶろくの米作りから販売までを、自分たちで行うことで認定されます。地元のお米を使って、春と秋には蔵元でお祭りを開き、人々をもてなしているそうです。また、北広島町は「ワイン特区」でもあることから、福光さん自らブドウを栽培し、9月~11月まではワインを造るそうです。日本酒が造れないのであれば、古来から培われてきたどぶろく、さらにはワインを造ることによって「広島県の多様性を地域に根付かせていきたいという思いがある」と、福光さんは話していました。

さらに、蔵元の廃業で、街から活気がなくなるのは淋しいことから、蔵元を人が集まる場所にするために改装をしました。ブランコやハンモックなどの子供たちの遊び場や、ライブイベントなども行うスペースを設けているそうです。将来的には、宿泊機能も備えたレストラン「オーベルージュ」を作っていきたいということです。

高校生が中心となって運営する『ミカタカフェ』

続いて、紹介するのが大崎上島町にある『ミカタカフェ』です。30年前に閉店したパン屋を改装しました。大崎上島町特産の柑橘を使ったチョコレートやコーヒーなどが並んでいます。プロデュースをしているのは、大崎海星高校の生徒を中心とする高校生です。また、カフェだけではなく、イベントや放課後に学習をする子供たちも集まるスペースとなっています。

このスペースを考えたのが、地域おこし協力隊として2020年に大崎上島町に移住した勝瀬さんです。教育関係の仕事に就いていたことから、大崎上島町全体の教育に非常に関心があったそうです。その先にできたのが、『ミカタカフェ』です。『ミカタ』には「誰もが誰かのミカタになってほしい」という思いが込められています。スタッフは、高校生が中心となって、メニューや商品開発を行います。売上の一部は、子供たちの活動費やカフェの運営、あるいはイベントに使用されます。大人料金と学生料金があり、大人料金は100円~150円ほど高くなっています。

教育に力を入れている大崎上島町にある大崎海星高校の生徒は、4割が県外出身です。子供たちは「大崎上島学」と言われる「総合的な探求の時間」という、地域社会の課題を解決していく学校の授業に取り組みます。また、この授業に関心を持った、地域おこし協力隊の人が先生を務める公営塾を、放課後に学校で開いています。地域との関わりが非常に盛んな学校で、生徒がさらに地方や地域との接点を持つという役割を『ミカタカフェ』が担っています。

2024年、イベントの1つ「おでんを食べる会」が開かれました。海水浴場の海の家で、50年愛され婦人会が作っていた16年前に無くなったおでんを、地元の婦人会の協力を得て、レシピを再現して振る舞いました。「もう一度やってほしい」という声もあるそうです。このように街自体が、子供たちに応援されていくことで、地域に暮らす人々の横や縦の垣根がなくなっていきます。このような産品を通して、背景を知ることができる『さとやまマルシェ2024』に、ぜひ足を運んでみてください。

【テレビ派 2024年2月26日放送】

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