【みんなで防災プロジェクト】「森林と防災」を考える
「いま動こう、みんなで防災プロジェクト」では、森林保護と防災について考えます。先日、子どもたちが実際に森に入って、その関わりを体験する催しが開かれました。
■子ども
「おはようございます」「よろしくお願いします」
今月9日、広島市東区に小学校の3年生から6年生までの子どもと保護者あわせて46人が、ある催しのために集まっていました。その名は、「森から防災教室in尾長」…。森を手入れして守る「保全」と、防災のつながりを、クイズを通して学びます。
■塚原美緒 気象予報士
「土砂災害が起きた時に山に木があるかないかで被害の大きさが違う。○か×か」「答えは、みなさん大正解、○でしたー」
「木の葉っぱが元になってできた土というのは、とってもふかふかなんです。そう、ふかふか」
「たくさん水を蓄えてくれるんです。だから一気に雨が降ってきても土砂災害につながりにくくなる」
豊かな森では、木の根がしっかりと張り、落ち葉が分解されてできる腐葉土が、雨水をスポンジのように蓄えます。森が「緑のダム」と呼ばれるゆえんです。
■塚原気象予報士と子どもたち
「手入れすることで、健康で災害も防げる木の強い森を作っていくのがきょう私達がこれからすることです。分かりましたか?」「はーい!」
実際に、森の中に向かいます。広島市東区にある尾長天満宮の北側の里山に広がる「鎮守の森」です。
■もりメイトの方
♪ピッピッ「倒しまーす!」♪拍手
取りかかったのは、森の木の一部を伐採して周囲の木の成長を促す「間伐」です。とは言え、危険を伴う作業…。県内の森林保全に取り組む「NPO法人」のメンバーが指導します。
■もりメイト倶楽部Hiroshima 山本恵由美 理事長
「脚もうちょっと上の方に開いてもいいよ」「上手いよ、みんな上手上手」
子どもたちは、伐採を決めていた木の幹を、のこぎりで切ります。
■女の子
「硬すぎて力がめっちゃいるし手が痛い」
■男の子
「もう汚れてるわ」
冬でも葉を落とさない照葉樹や、背の高い木を中心に切ることで、光が差し込みます。
■子ども
「木って案外頑張ったら倒せるんだなって」
「最初の方はすごい難しかったけど、だんだんコツがつかめてきて楽しいと思いました」
■子どもたちの声
「何本切りましたか?」
「2本です」
「楽しかった」
「硬かったからすごい達成感があった」
森の周辺は、「土砂災害警戒区域」に指定されており、子どもたちの挑戦は防災につながる第一歩となります。切った木は、無駄にしません。伐採の後は、切り出した木材を使ってのクラフト作りです。その目的は…。
■塚原気象予報士
「地球温暖化の原因になる二酸化炭素を木はいっぱい身体の中にためこんでいるんです」
「木で何かを作ることによってそれが地球温暖化とか災害とかを防ぐことにつながる。そう思ってぜひ自分だけの大切な作品を作ってみてください」
テーマは、来年の干支・辰にちなんだ「竜」…。自然の素材をもとに、このテーマに沿って作品作りに取り組みました。
■女の子
「空飛ぶ、赤ちゃん」
「空飛ぶ赤ちゃんの竜?」
「うん」
■男の子
「わー倒れた。まだくっついてなかった」
そして…。
■みんな
「できたーーー!!!」
■男の子
「西洋のドラゴン」
「羽根を小さな部品を4枚組み合わせて作った」
■女の子
「なんかうろこみたいにしようと思っていっぱいつけたら大変になった」
この日知ったのは、木を再利用する楽しさと、命を育む森の大切さです。
■女の子
「木はそんなに大事と思ってなかったけど、きょう習ってから大事ってことがわかった」
■男の子
「今回の体験を通じてとても感じたものがあったので参加してよかったなって思います」
■もりメイト倶楽部Hiroshia山本恵由美 理事長
「これをやはりお友達に伝えるとか大きくなっても思い出してもらって自然を大事にする子どもになってもらいたい」
身近な森を守り、防災に役立てる…。風の音を聞きながら、暮らしと森のつながりを実感した秋の1日でした。
《2023年10月19日》