【姿をとらえた】住宅街の保育園隣接地に連日イノシシ出没 すぐに駆除や捕獲できない事情が 天草市
18日、天草市の亀川保育園で園児たちが見ていたのは、体長50センチ余りのイノシシです。
■園児
「きのうもいた」
イノシシが現れたのは県道本渡牛深線沿いの住宅街。近くには商業施設もあります。保育園の周辺では連日イノシシが目撃されていて、不安が広がっています。
■亀川保育園 江﨑聖哉園長
「区長さんと話しながらいろいろやって下さっているけど、注意喚起のメールは配信しているんですが、できることに限界もあって不安は不安」
近くに住む女性は自宅の周囲に網を張ってタヌキの侵入を防いでいましたが、イノシシの出没に驚きを隠せません。
■近くに住む女性
「夜11時頃、ブヒっといって私の後ろをついてきた。前の奥さんにイノシシがいるから注意するよう言ったら『見たよ』と言われた」
対応に頭を悩ませているのが天草市です。すぐに駆除や捕獲に乗り出せない事情があるといいます。
■天草市農業振興課 緒方健吾参事
「住宅地と保育園が近くにあるということで、銃器等を使用した捕獲は難しい。わなを設置すると他の個体も引き寄せてしまう可能性があるので、天草市では住宅地等での積極的な箱わなの設置は行っていません」
天草市のイノシシの捕獲頭数は例年、6000頭から7000頭で推移しています。しかし、今年度は12月までに8500頭にのぼり、過去最高のペースだといいます。
行政だけでなく、地域の力にも頼らざるをえない状況です。
■天草市農業振興課 緒方健吾参事
「耕作放棄地で特に水場があるイノシシの好む環境になっているので、地域の方でイノシシの寄り付きにくい環境を整備していただくことが大事」
【スタジオ】
住宅街でイノシシが目撃されているのは、天草市だけではありません。熊本市では今年、これまでに8件の目撃情報が寄せられているということです。
熊本市によりますと、イノシシはこの時期、エサを求めて住宅街に出没するケースがあり、家庭菜園などの野菜くずや果物を放置すると寄ってきやすく、適度な収穫や片付けが必要だということです。
また、イノシシを見かけでも刺激せず安全な場所に移動してほしいと呼びかけています。