介護報酬約3億円を職員数水増しで過大請求 人吉市の施設に行政処分
介護職員の数を水増しして3億円あまりの介護報酬を不正に得たとして、県が人吉市の介護保健施設に行政処分を行いました。
行政処分を受けたのは、人吉市にある医療法人「蘇春堂」が運営する球磨病院介護医療院です。2020年8月から去年9月までの約4年間、事務職員などを介護職員と偽った資料を県に提出し、介護報酬3億円あまりを過大に請求していました。介護報酬は入居者と介護職員の人数に応じて支払われるもので、去年3月に情報提供を受けた県の立入検査で不正が判明しました。
県は3月18日付けで、3月25日からの6か月間、
■新規利用者の受け入れ停止
■介護報酬支払額を7割に制限 の処分を出すとともに、不正に得た3億円あまりの返還も求めています。
県によりますと、当時、球磨病院介護医療院は介護保険法の基準で必要と定める介護職員数を下回っていたにもかかわらず、これを隠して運営していました。
KKTの取材に対し「熊本豪雨の影響で介護職員の退職が相次ぐ一方、入居者が増えた。職員が足りなくてもやむを得ず運営を続けた」と説明した上で「処分を真摯に受け止め対応します」とコメントしています。