豪雨被災から4年…肥薩線"鉄道での復旧"へJR九州・国・県が基本合意
2020年の熊本豪雨で被災した熊本と鹿児島を結ぶJR肥薩線は、八代駅と鹿児島県の吉松駅を結ぶ86.8キロの区間で運休が続いています。
これまでの肥薩線復旧に向けた検討会議では県や沿線自治体が観光を軸とした鉄道での復旧を求める方針を示したのに対しJR九州は沿線住民の日常的な利用を復旧の軸に入れる必要があると指摘していました。
3日に非公開で開かれたJR九州と国、県による検討会議。
JR九州は、県庁職員の公務での優先利用や住民専用フリーパスを作るなど日常利用の案が示されたことや課題となっていた費用面の負担について地元自治体が線路や施設を管理し、JR九州が運行を担う「上下分離方式」を採用するなど持続可能な復旧計画が具体的に示されたとして八代駅と人吉駅の間について鉄道による復旧を目指すことで基本合意したことを明らかにしました。
■JR九州・松下琢磨常務
「いろんな具体的な考え方や施策がきちんと示されていたJR九州として評価をしている」
待ち望んだ鉄道での復旧の方針に肥薩線の沿線・人吉市の松岡隼人市長は…。
■人吉市・松岡隼人市長
「復興というのは災害によって途切れたことをつむぎなおすということだと言い換えられると思っています。今回の基本合意というのはまさに復興への大きな一歩につながると感じております」
■蒲島郁夫知事
「県民の皆様と約束を果たすことができてとても安堵しております。(課題となっている日常利用の)マイレール意識とその取り組みをできることから直ちに着手していただきたい」
JR九州などによりますと宮崎県や鹿児島県にまたがる人吉駅と吉松駅の間の復旧については、今後話し合いを進める方針だということです。