「信号故障と思い込み自己判断」熊本市電がまた赤信号で交差点に進入 1週間前にも同様のトラブル
熊本市交通局によりますと11月15日午後10時40分頃、熊本市中央区の西辛島町交差点で、田崎橋から交通局前に向かっていた市電が赤信号の交差点に進入しました。車やほかの市電、歩行者などとの接触はなく、けが人はいませんでした。
この交差点には市電が進んでよいことを示す矢印信号がありますが、当時、この矢印信号はついていませんでした。60代の男性運転士は、「この交差点では10月、矢印信号が出なくなる不具合が起きていたことから、今回も信号が故障していると思い込んだ」と話しているということです。交通局の規則では、信号故障の可能性がある場合、交差点に進入する前に無線で連絡するルールがありますが、運転士は連絡を怠り、自分の判断で交差点に進入したということです。
熊本市電は今年に入り、重大事故などを含む安全に関わるトラブルが14件起きています。このうち、今回の信号無視を含む「重大な事故につながるおそれのある」インシデントは、今回で7件目となります。
相次ぐトラブルを受け、熊本市交通局は10月、安全管理の部署を新設する方針を示し、11月1日に専任の安全統括管理者を任命しました。しかし、9日にも今回と同様に赤信号で交差点に進入するトラブルが起きたばかりでした。
■熊本市交通局 井芹和哉交通事業管理者
「組織の非常事態として安全対策に取り組んでいる最中に今回のインシデントを発生させたことは、交通局を預かる立場として大変申し訳なく、自責の念に苛まれている思いでございます」
九州運輸局は、「今月、2件のインシデントが発生していることを非常に重く受け止めている。改善に向けて引き続き指導していく」とコメントしています。