「レモン汁を目に…」陸上自衛隊で上司が繰り返し暴行やいじめ 賠償を命じる判決
元自衛隊員が、上司から繰り返し暴行を受けたとして国などを訴えた裁判で、熊本地裁は19日、国や上司に合わせて260万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。
訴えを起こしていたのは、陸上自衛隊第8師団に所属していた元陸士長の男性(24)です。訴状によりますと、男性は2019年1月、宿舎で上司の男性隊員から顔を何度も殴られ、ケガをしたと主張。また当時、未成年だったにも関わらず無理やり酒を飲まされたほか、レモンの汁を目に入れるよう強要されたということです。
男性は3か月にわたり暴行やいじめ行為を受けてうつ病になり、退職を余儀なくされたとして、国と上司の隊員ら5人に約1130万円の賠償を求めていました。
19日の判決で熊本地裁の品川英基裁判長は、「上司の暴行により退職を余儀なくされたとまでは認められないが、暴行の悪質性などを考慮すると退職する理由の1つになったと認められる」と判断。また、「上司の暴行行為などが原告に与えた肉体的・精神的苦痛は大きいものであったことは想像に難くない」として、国に約175万円、上司5人にあわせて88万円などの支払いを命じました。
判決を受け、第8師団がある北熊本駐屯地はKKTの取材に対し「判決文を精査中のため回答を差し控える」とコメントしています。