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熊本市議会 市庁舎建て替えなどの議案可決 歩行者通路屋根落下で業者提訴の議案も

2024年9月27日 19:42
熊本市議会 市庁舎建て替えなどの議案可決 歩行者通路屋根落下で業者提訴の議案も
熊本市・大西一史市長(左)

9月定例熊本市議会は最終日の27日、注目されていた市庁舎の建て替えや市電の延伸に関わる補正予算案などを可決しました。これにより議論が続いてきた市庁舎の建て替えが事実上、決定しました。

最終日を迎えた熊本市議会。今回の議会には、8億1000万円あまりの補正予算案のほか、市庁舎建て替えにかかる4年度分の費用18億8000万円あまりの債務負担行為などの議案が提出されていました。

熊本地震後の2017年に耐震性の不足が指摘され、建て替えについての議論が進められてきた熊本市庁舎。熊本市は今年6月、本庁舎をNTT桜町ビルの敷地、中央区役所を花畑町別館跡地とする方針を示し、概算事業費を約616億円と試算しています。

熊本市は、国の補助である合併推進債を活用して負担額を255億円とするため、基本計画から実施設計までを業者に一括発注する計画を進めてきました。

しかし、27日の市議会では…。

■共産党 上野美恵子議員
「矛盾に矛盾を重ねる市役所建て替えを、市民不在のまま粛々と進める提案は絶対に認められません」

建て替えについて議決の直前まで賛否が分かれる中、すべての議案は賛成多数で可決しました。

議会閉会後、大西一史市長は議長のもとへ。
■熊本市・大西一史市長
「現議会棟の状況を踏まえまして、新庁舎における議会棟のあり方についてご検討いただけるようにお願いを持って参りました」

大西市長は、議会棟のあり方について議会の意見を取り入れる意向を示しました。今回の可決をもって熊本市は、基本計画から実施設計を一括発注する業者の選定に取りかかります。

可決された補正予算の中には、熊本市電の仮称「東町線」について、延伸に関わる設計費用など約4億2000万円も含まれています。延伸される区間は健軍町電停から熊本市民病院までの1.5キロです。熊本市は、延伸によって1日の市電利用者約2300人の増加と、自動車交通量2000台の削減を見込んでいます。市はこの延伸事業を円滑に進めるために新たに市電延伸室を設置し、2031年度の開通を目指します。

一方、市電では安全に関わるトラブルがことしに入って11件起きています。これについて大西市長は議会終了後の会見で「真摯に受け止め、早急に対策に取り組みたい」と話しました。

可決されたのは予算案だけでなくこんな議案も。
■大西一史市長
「今回の議案については、平成28年(2016年)3月に完成した屋根に、求めるべき品質と性能を欠く瑕疵があったということで」

去年7月、JR上熊本駅の歩行者用通路で屋根の一部が落下した事故。熊本市議会では今年6月の議会から、屋根の設置に携わった建設会社2社に対して損害賠償請求を提訴するか否か議論を続けてきました。6月議会の審議ではさらなる調査、検証が必要として継続審査とされましたが、9月19日の常任委員会で「施工業者に瑕疵がある」として提訴の議案を「可決すべき」と判断しました。

熊本市は、議案が正式に可決したことを受けて、近く1億4700万円の損害賠償を求めて建設会社を提訴する予定です。

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