「例年よりかなりひどい」天草で海辺の松の木がピンチ 3分の1が枯れた場所も
天草郡苓北町の富岡海水浴場。60本ほど並ぶ松の中に、茶色くなった木が…。
■地元の人
「余計に今年は枯れている」
松枯れは隣の天草市でも。場所によっては3分の1ほどが枯れていました。
原因とみられるのが「マツノザイセンチュウ」という体長1ミリにも満たない線虫です。松の木の中に入り込み、水や栄養分を吸い上げる管を攻撃するため枯れてしまうのです。
熊本県によりますと、最近は人の目に付く道路沿いで枯れていることもあり問い合わせが寄せられるといいます。
■熊本県天草広域本部農林水産部林務課 福山健一郎課長
「ここ数年は松枯れが目立つ感じはしている。管内の市町には昨年から問い合わせがあったが、今年は県の振興局にも問い合わせが来ている状況」
松枯れが増えた原因と考えられるのが、暑さです。8月は、熊本県内の18観測地点のうち、半数以上の11地点で最高気温が観測史上を更新しました。9月も、天草市や熊本市などの最高気温は観測史上1位を記録しました。高温や強い光、乾燥に弱いといわれる松の木。
現場を見た樹木医は、暑さで木が疲れたところに線虫が入ったとみています。
■樹木医 今村順次さん
「例年よりもかなりひどい。本数も多いし、集団的に発生している。(枯れた松の木は)どんどん焼却して対策しないといけない」
熊本県は、枯れた松の伐採や予防のための薬剤散布などを進めています。本来、風よけのために植えられた海辺の松。伐採した後には新しい松が植えられますが、大きく育つには時間がかかります。
■地元の人
「海辺に住む人たちは、風が強いと直接家に当たってしまうので、風よけのためにも必要なのかなと思う。どんどん枯れた分は切って倒してもらっているが、かなり切られて、スカスカになっている」
熊本県は、枯れ始めは枝が落ちてくる可能性もあるとして、なるべく松に近付かないよう呼びかけています。