登山者からの協力金 登山道保全・人材育成に活用へ
維持や管理が危ぶまれている登山道についてです。
中部山岳国立公園の富山県側のエリアについて話し合う協議会の総会が先週開かれ、今年度、登山者などから寄せられた協力金の使い道を決めました。
協議会の総会には、行政や山小屋関係者などオンラインを含めて40人あまりが参加しました。
中部山岳国立公園の富山県内の登山道はおよそ300キロありますが、資材の高騰や人材不足などで維持・管理が難しい状態です。
協議会は、去年8月から持続的に登山道を守っていこうと登山者に協力金を求める実証実験を始めました。
今月14日までに寄せられた寄付金は764万円余りに上ります。
協議会は、この協力金を元に来年度、6つの団体に対しあわせて450万円を提供して、登山道の維持・管理と人材育成を行うことを決めました。
このうち、100万円の支援を受けたのが、民間団体「薬師トレイルクラブ」です。
去年10月に実施された登山道の修復講習会をきっかけに設立された団体で、新年度は、薬師岳の登山口、折立から登山道の土壌侵食対策を行うほか 技術力向上のための講習会を開催する予定です。
福山代表「資機材の購入とか、そういうものもありますけど何よりも人材を育てるためのお金だと思ってしっかりいただいた分は有効に活用できればと思っています」
このほか、山小屋や山岳ガイド、遭難対策協議会の活動に対しても支援します。
朝日小屋・清水さん「人が少ない、時間が足りない、技術がないみたいなところでどうしてやっていけばいいのかというのが今後の大きな課題だったわけですけれども。みんなで知恵を出し合ってというところへんでは1つ肩の荷もちょっと降ろせるのかなという気はします」
協議会の事務局を務める環境省立山管理官事務所は今後について。
中森さん「まずは承認を受けた事業をちゃんと世間に見える形で整理して発信していく、ちゃんと事業を実施していく所が現場の作業としてあるかなと思いますし、来年度も現場の方に多く環境省の方で出向いていければなと思っております」
協議会は、来年度も協力金制度を継続し、協力金箱の増設や登山者への認知度を高める広報を工夫しながら持続的な登山道の維持・管理を目指していくことを決議しました
KNBは、中部山岳国立公園のパートナーシップ締結企業です。
様々な課題を指摘しつつ、登山道の維持・管理はもちろん、世界に誇る北アルプスの魅力的な景観を伝えていきます。