「国の生活保護行政に重大な影響」生活保護費減額訴訟で富山市が控訴の理由説明
国が生活保護費の基準額を引き下げた処分は違法だとして、富山地方裁判所が処分を取り消した裁判をめぐり、市は21日、市議会議員から控訴した理由を問われ、「国の生活保護行政に重大な影響を与えるため」と説明しました。
この裁判は2013年から15年にかけて、国が生活保護費を最大10パーセント引き下げたのは憲法が定める「生存権」に反するなどとして、富山市の受給者ら5人が国と市に対し、処分の取り消しと国家賠償を求めたものです。
1月24日の裁判で富山地裁は違法性を認め、賠償は認めなかったものの引き下げ処分を取り消す判決を言い渡しました。
市はこの判決を不服として、名古屋高裁金沢支部に控訴していて、21日の富山市議会厚生委員会で市の担当者が控訴の理由を説明しました。
富山市 谷澤隆生活支援課長
「国との協議を行った上で『今回の生活保護基準の改定は適法である』ということで、保護変更決定処分を取り消すという今回の判決を容認するということは、国の生活保護行政にも重大な影響を与えることとなるものと考えた」
また市は、原告の5人以外の受給者からは、基準額引き下げを不服とする声はなかったと説明しました。