液状化被害で排水管損傷 トイレや風呂使えず 高岡市伏木地区
能登半島地震で液状化の被害が多かった高岡市伏木地区では、排水管が壊れたり砂が詰まったりした影響で、今も風呂やトイレが使えない家が少なくありません。水道は通っているのに、なぜ不便な暮らしを長く強いられているのか、実情を取材しました。
液状化の被害が広がった高岡市伏木地区。2月5日、激しい雨と風のなか、道路を掘り起こして、工事が行われていました。
「割れてしまった。その管ですね、下水管が粉々になって壊れてしまっていた」
地震に伴う液状化で、汚水を流すための配管が、何か所も寸断されていました。
土井あゆみ記者
「排水が使えなかった?」
住民
「使えなかったの。きょうから入ってもいいんだって。お風呂、よかった~笑顔。きょうからやっと入れます」
土井記者
「お風呂は今まで?」
住民
「銭湯です。ずっと銭湯ばっかり、1か月間。トイレはまだだって」
こちらの家では、トイレが使えるようになったのは、地震から2週間後でした。原因は、長靴が埋まるほど道路を覆い尽くした砂でした。
住民の高齢女性
「全部(下水の)マンホールの中とか、液状化で砂が湧き上がって、めいいっぱい詰まっていた。トイレが、ぼこんぼこんと流れない。あそこの簡易トイレを利用させてもらっていました」
その仮設トイレが設置されているこのケアハウスは、今も風呂が使えません。
ケアハウス伏木万葉の里 山下博司施設長
「お風呂はこんな状態で、震災があった時からそのままです。(排水口から)砂が上がってきている。建物と外側との境目が全部こう(手で説明)。30センチから40センチくらい向こう側(外)が下がっている」
排水管など風呂用の配管は、6本すべて寸断されました。管の中には、砂がぎっしり。
コンクリートを壊し、土を手で掘って、破損箇所を探しながらの工事でした。
「ここでバツンとこちら側が下がったから、それをつなげないといけないと、臨時で蛇腹みたいのを入れてつないでいる」
利用者には、デイサービスや系列の高齢者施設の風呂を利用してもらいました。48ある居室のすべてのトイレが復旧したのは、2月上旬でした。
高岡市上下水道局は、地震発生直後から対応に追われました。
高岡市上下水道局 下水道工務課 寺井義則課長
「1月4日から1月8日にかけて、液状化地域でマンホールを片っ端から開けて土砂や水が溜まっていないか異常がないか点検。土砂がたくさん堆積していると確認されたので、すぐに1月5日から15日にかけて下水道管内の土砂を取り除く作業をしている」
ホースで下水管の砂を吸い上げ、本管は、どうにか汚水が流れるようにしましたが、被害の全体はまだ分からないといいます。
寺井課長
「地上から下水管の被害状況が見えないということで、カメラを入れてしか見れない。被害の全体像の把握にどうしても時間がかかる」
これは、下水管の内部を撮影した映像です。汚水は勾配によって流しますが、下水管に水が溜まっていて、「たわみ」が生じていることが分かります。
上下水道局は現在、下水管1本1本を撮影し、その映像の解析を進めています。
被害を長引かせているのは、本管と各家庭をつなぐ排水管や取付管に損傷が多いためです。
2月14日に訪ねたこちらの家では、下水管につなぐ管が破損しているため今も風呂を使えません。
住民
「うちはいま風呂も使えないし、トイレ2回したらここ(公共ます)が詰まるんですよ。ここから先の管がだめですから」
この通りには、家屋の地盤が下がり、下水管との勾配が逆転して、汚水が流れない家もあります。
「(道路のアスファルトを)全部はがさないと本格的に整備できない。何軒かトイレも風呂も使えないところがありますよ。それで出て行かれた人もいる。この辺の人が、ここで建て替えるとしたら上下水道がいいがにならないとあかんということやね」
液状化被害の復旧には、地盤改良をどう進めるか、という課題に加えて、生活に欠かせない上下水道をどのように再整備するかも重要です。
液状化の被害が広がった高岡市伏木地区。2月5日、激しい雨と風のなか、道路を掘り起こして、工事が行われていました。
「割れてしまった。その管ですね、下水管が粉々になって壊れてしまっていた」
地震に伴う液状化で、汚水を流すための配管が、何か所も寸断されていました。
土井あゆみ記者
「排水が使えなかった?」
住民
「使えなかったの。きょうから入ってもいいんだって。お風呂、よかった~笑顔。きょうからやっと入れます」
土井記者
「お風呂は今まで?」
住民
「銭湯です。ずっと銭湯ばっかり、1か月間。トイレはまだだって」
こちらの家では、トイレが使えるようになったのは、地震から2週間後でした。原因は、長靴が埋まるほど道路を覆い尽くした砂でした。
住民の高齢女性
「全部(下水の)マンホールの中とか、液状化で砂が湧き上がって、めいいっぱい詰まっていた。トイレが、ぼこんぼこんと流れない。あそこの簡易トイレを利用させてもらっていました」
その仮設トイレが設置されているこのケアハウスは、今も風呂が使えません。
ケアハウス伏木万葉の里 山下博司施設長
「お風呂はこんな状態で、震災があった時からそのままです。(排水口から)砂が上がってきている。建物と外側との境目が全部こう(手で説明)。30センチから40センチくらい向こう側(外)が下がっている」
排水管など風呂用の配管は、6本すべて寸断されました。管の中には、砂がぎっしり。
コンクリートを壊し、土を手で掘って、破損箇所を探しながらの工事でした。
「ここでバツンとこちら側が下がったから、それをつなげないといけないと、臨時で蛇腹みたいのを入れてつないでいる」
利用者には、デイサービスや系列の高齢者施設の風呂を利用してもらいました。48ある居室のすべてのトイレが復旧したのは、2月上旬でした。
高岡市上下水道局は、地震発生直後から対応に追われました。
高岡市上下水道局 下水道工務課 寺井義則課長
「1月4日から1月8日にかけて、液状化地域でマンホールを片っ端から開けて土砂や水が溜まっていないか異常がないか点検。土砂がたくさん堆積していると確認されたので、すぐに1月5日から15日にかけて下水道管内の土砂を取り除く作業をしている」
ホースで下水管の砂を吸い上げ、本管は、どうにか汚水が流れるようにしましたが、被害の全体はまだ分からないといいます。
寺井課長
「地上から下水管の被害状況が見えないということで、カメラを入れてしか見れない。被害の全体像の把握にどうしても時間がかかる」
これは、下水管の内部を撮影した映像です。汚水は勾配によって流しますが、下水管に水が溜まっていて、「たわみ」が生じていることが分かります。
上下水道局は現在、下水管1本1本を撮影し、その映像の解析を進めています。
被害を長引かせているのは、本管と各家庭をつなぐ排水管や取付管に損傷が多いためです。
2月14日に訪ねたこちらの家では、下水管につなぐ管が破損しているため今も風呂を使えません。
住民
「うちはいま風呂も使えないし、トイレ2回したらここ(公共ます)が詰まるんですよ。ここから先の管がだめですから」
この通りには、家屋の地盤が下がり、下水管との勾配が逆転して、汚水が流れない家もあります。
「(道路のアスファルトを)全部はがさないと本格的に整備できない。何軒かトイレも風呂も使えないところがありますよ。それで出て行かれた人もいる。この辺の人が、ここで建て替えるとしたら上下水道がいいがにならないとあかんということやね」
液状化被害の復旧には、地盤改良をどう進めるか、という課題に加えて、生活に欠かせない上下水道をどのように再整備するかも重要です。