【出会い】カプセルトイで本販売 書店の魅力を体感
何が出るか分からない偶然の出会いが魅力のカプセルトイ。
中身は様々ですが、富山市の書店が今月から一風変わった販売機を設置しています。
全国で閉店が相次ぐなか、書店の価値を発信する取り組みを助田記者が取材しました。
書店が設置した“本”のカプセルトイ
富山市の文苑堂書店富山豊田店です。
店の入り口付近にカプセルトイの販売機が3台設置されていますが、カプセルの中身は一般的なフィギュアやおもちゃではありません。
「ガチャブック」と名付けられた販売機が扱うのは”本”。
本のテーマは「はじめての海外文学」や「はじめての日本文学」など3種類あり、値段は1回1000円です。
助田記者「私はこの『書店員の選ぶ本当に面白かった本』を回してみたいと思います」
(ガチャ ガチャ)
「来ました!」
カプセルの中にある番号札をレジで提示すると、店員が、本1冊にドリップ式コーヒーなどのノベルティも付けて交換してくれます。
「じゃん!・・・全然知らない。存じ上げない作家の方なんですけれども、楽しみに読んでみたいと思います」
書店の新たな挑戦
この新たなサービスは店が、書店の魅力を地域に発信するプロジェクトの一環として今月7日からスタートしました。
狙いは本との偶然の出会いを体験してもらうことです。
文苑堂書店 富山豊田店橋本剛 副店長「完全に回して出るまで何が手に入るのか分からない。自分がこれから何を読むんだろうというのが一切分からない状態で本を買ってもらうという体験。今までにないものだと思うのでぜひ体験していただければなと思います。」
本との出会いは書店での楽しみの一つですが、インターネット通販や電子書籍が普及した影響で近年は、全国的に書店の閉店が相次いでいます。
「日本出版インフラセンター」によりますと、県内の書店はおととし12月時点で112店で、それまでの10年間で41店減りました。
文苑堂書店も去年県内で3店舗を閉店しました。
一方でカプセルトイは書店をはじめさまざまな店や施設に大型コーナーが設置されるなどブームが続いています。
店側は、本とカプセルトイを組み合わせることで書店の魅力を再認識してもらう考えです。
文苑堂書店 富山豊田店橋本剛 副店長「我々としても書店を残したいという思いがもちろん強いですし書店に残ってほしいという思いを育みたいという思いもありますのでぜひ興味がある方は足を運んでいただいて1回回してもらえればと思います。」
「ガチャブック」は来月6日まで設置されています。
1か月分用意したカプセルが3日で売り切れるなど店側の予想を超える反響があるということです。
書店の魅力発信の新たな一手に期待です。