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「地震で人生変わった」高岡・伏木の住民 液状化被害からの復興 模索続く

2024年2月7日 19:27
「地震で人生変わった」高岡・伏木の住民 液状化被害からの復興 模索続く
能登半島地震で液状化による被害が大きいのが、高岡市伏木地区です。

本格的な復旧には、家屋の補修や建て替えだけでなく地盤の改良も必要となるため、膨大な費用がかかることが被災者をいっそう苦しめています。
復興への道を模索する住民たちの今を取材しました。

地震が発生した1月1日午後4時すぎ、高岡市伏木の防犯カメラには、激しい揺れが映っていました。

揺れの後、襲ったのが液状化現象です。

別のカメラにも、電柱が地中に沈み込んでいく様子が映っていました。

早送りではありません。

道路と住宅の境目や道路の亀裂から、砂を含んだ水があふれ出し、あっという間に周辺を覆っていきました。

この交差点の近くに住む男性は、初めて見る光景に驚きました。

酢谷健治さん
「水は吹きあがってくる、電信柱は下がってくる、道路は波打ってくる、そのうち、水があふれてくる、というような状態」

住宅そのものは無事だったのに、液状化によって住宅全体が傾き、もう住むことができません。

ガムテープを転がしてみると…

今は伏木を離れ、高岡市内の住宅に避難しています。

酢谷健治さん
「ここでそのまま住みたかったという思いは強いです。この状態で、このうちをつぶして、土地を改良してとなると莫大なお金がかかる。ここでは建て替えとか無理やなと」

地区の防犯カメラを管理していた、こちらの電器店も奥の住居部分が傾いて住めなくなりました。

今は店舗の上で寝泊まりしています。

この地区は、8割以上の家屋が応急危険度判定で赤の「危険」または黄色の「要注意」になっています。

田子電機商会 田子健一代表取締役
「これからどうなるんだろうと思う。この通りも店がなくなっていく。辞められるひともあるみたいだからね。空き地と空き家もどんどん増えるわけでしょう」

それでも頑張るしかないと、地震の後、地区でいち早く整備したのが、商店街の駐車場でした。

田子電機商会 田子健一代表取締役
「アスファルトがくちゃくちゃになってしまって、見る影もないようになってしまった。いち早く整備したんですよ。早く復興しようじゃないかということで」

こちらの日本料理店は、店舗が被災し、再開のめどが立っていません。

近藤朝幸さん
「ここから一気に(砂と水が)流れてきた。店の中にも水が流れるがやと思って。建物はしっかりしているので、全然問題ないがやけど、どこか傾いている。テーブルを置いてビー玉ころがしたら、こっち側へ行くのが分かる」

地盤改良を含めた修繕には膨大な費用がかかります。

近藤朝幸さん
「はあ、なんかほんま、ちょっと、収入がないというのが一番痛いね。24年間ここでずっとやって、地域では流行っている店だと言われていたのに。こんなきれいな店やったがに。一瞬にして人生が変わってしまった」

一時は、廃業も考えましたが…

近藤朝幸さん
「再開を待っているぞ、待っとるぞと言うから、何とかしようと思うけど、やっぱりお金もないしさ。支援金を頼るしかないから、なんとか再開したいと思っている」

伏木地区の今後の復旧、復興をどうするか。

地震から1か月の2月1日、住民たちが自ら連絡協議会を設立し、話し合いを始めています。

伏木校下自治会連絡協議会 坂廣志会長
「伏木から転居している、避難している方が把握しているだけで60世帯くらい、実際もっと多いと思う。伏木に戻らないよというのがかなり多い。伏木のまちがまた元通り元気なまちになれるようにしていく、そのためのこういう会合、みなさまの意見を出し合いながら情報を聞きながら、やっていくのがこの会合じゃなかなと思っておりまして」

住民の多くが指摘していたのが、支援制度についてきめ細かな情報が届かないということでした。

地域一帯に広がる液状化被害に公的な支援は不可欠で、行政と住民の連携が鍵を握ります。
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