能登半島地震で液状化被害 家の再建は…悩む住民 富山市
能登半島地震による液状化現象で住宅への被害が相次いだ富山市東蓮町地区。藤井市長は15日、東蓮町地区に多い「一部損壊」と判定された住宅まで支援金の対象を拡げる考えを示しました。その一方で、液状化が発生した同じ場所に家を再建するかどうか、悩んでいる住民もいます。岡川記者のリポートです。
富山市の北部。住友運河に接する東蓮町地区です。およそ240世帯が暮らすこの地区で、元日、液状化現象が起きました。
新村哲夫町内会長
「このお宅はですね…これぐらい大量に土砂が入っちゃって」
道路や住宅の庭から、ひざの高さほどまで土砂が噴き出し、至るところで亀裂や陥没が発生。住民たちは復旧作業に追われました。
あの日から4か月半が経ちましたが…
西尾英幸さん
「1月1日に被災したんですけども、その時よりもひどくなってきているような気はしてますね。少しずつ(亀裂が)広がっているというか。来るたびに『あれ?』って感じなんですけど」
およそ40年前から東蓮町に住んでいる西尾英幸さん。妻や子どもたちとの思い出が詰まった自宅は、液状化によって全体が傾いてしまいました。
西尾英幸さん
「やっぱここにいるだけで踏ん張ってるような状態になりますよね。傾きがあって『ここはもう住めないな』という判断から、すぐ県営住宅を借りる手続きをした」
自宅はり災証明書の被害認定で「全壊」と判定され、早ければ7月にも公費解体で取り壊すことになりました。しかし、液状化が発生したこの場所に再び家を建てるべきか。今後また地震が起きると新たな被害が出るのではないかが心配で、先のことは決められないと話します。
西尾英幸さん
「ここに住めれば一番いいですけど、液状化したところでまた家を建てるかどうかとか、いろんな判断が今の時点ではできないというのが本音ですよね」
富山市東蓮町地区には被害を受けた住宅が、少なくとも70世帯あります。このうち「準半壊」以上の判定を受けたのは12世帯。解体や再建にかかる費用として県や市から最大300万円、少なくとも15万円を受け取れるほか、「耐震性なし」と判断された木造住宅には上限120万円の補助などがあります。
一方、被災した住宅の大半は準半壊に満たない「一部損壊」で、あわせて3万6000円の義援金・見舞金が支給されます。
4月27日に町の公民館で開かれた市の説明会では、判定基準の見直しや支援金の増額を求める声が相次ぎました。
東蓮町地区の住民
「全壊、半壊、準半壊、一部損壊とかいう判定基準。見てて『おかしいな』と。傾きが6度ないとだめだとか、実際住めないのに、それに対して援助される費用が全然違ってくる。この判定基準の見直しも必要ではないかなと思うんですよ」
西尾さんら住民は被災者の会を発足し、富山市と県に対し要望書を提出しました。
こうした動きに対して富山市の藤井市長は15日、液状化被害を受けた住宅の耐震改修や復旧について、支援の対象を「一部損壊」と判定された住宅まで拡げる考えを示しました。
これに対し被災者の会の新村会長は、「我々の要望を取り入れてくれてありがたい」としつつ、今後さらに公費解体についても一部損壊世帯まで対象を広げる要望をしたいとしています。
富山市の北部。住友運河に接する東蓮町地区です。およそ240世帯が暮らすこの地区で、元日、液状化現象が起きました。
新村哲夫町内会長
「このお宅はですね…これぐらい大量に土砂が入っちゃって」
道路や住宅の庭から、ひざの高さほどまで土砂が噴き出し、至るところで亀裂や陥没が発生。住民たちは復旧作業に追われました。
あの日から4か月半が経ちましたが…
西尾英幸さん
「1月1日に被災したんですけども、その時よりもひどくなってきているような気はしてますね。少しずつ(亀裂が)広がっているというか。来るたびに『あれ?』って感じなんですけど」
およそ40年前から東蓮町に住んでいる西尾英幸さん。妻や子どもたちとの思い出が詰まった自宅は、液状化によって全体が傾いてしまいました。
西尾英幸さん
「やっぱここにいるだけで踏ん張ってるような状態になりますよね。傾きがあって『ここはもう住めないな』という判断から、すぐ県営住宅を借りる手続きをした」
自宅はり災証明書の被害認定で「全壊」と判定され、早ければ7月にも公費解体で取り壊すことになりました。しかし、液状化が発生したこの場所に再び家を建てるべきか。今後また地震が起きると新たな被害が出るのではないかが心配で、先のことは決められないと話します。
西尾英幸さん
「ここに住めれば一番いいですけど、液状化したところでまた家を建てるかどうかとか、いろんな判断が今の時点ではできないというのが本音ですよね」
富山市東蓮町地区には被害を受けた住宅が、少なくとも70世帯あります。このうち「準半壊」以上の判定を受けたのは12世帯。解体や再建にかかる費用として県や市から最大300万円、少なくとも15万円を受け取れるほか、「耐震性なし」と判断された木造住宅には上限120万円の補助などがあります。
一方、被災した住宅の大半は準半壊に満たない「一部損壊」で、あわせて3万6000円の義援金・見舞金が支給されます。
4月27日に町の公民館で開かれた市の説明会では、判定基準の見直しや支援金の増額を求める声が相次ぎました。
東蓮町地区の住民
「全壊、半壊、準半壊、一部損壊とかいう判定基準。見てて『おかしいな』と。傾きが6度ないとだめだとか、実際住めないのに、それに対して援助される費用が全然違ってくる。この判定基準の見直しも必要ではないかなと思うんですよ」
西尾さんら住民は被災者の会を発足し、富山市と県に対し要望書を提出しました。
こうした動きに対して富山市の藤井市長は15日、液状化被害を受けた住宅の耐震改修や復旧について、支援の対象を「一部損壊」と判定された住宅まで拡げる考えを示しました。
これに対し被災者の会の新村会長は、「我々の要望を取り入れてくれてありがたい」としつつ、今後さらに公費解体についても一部損壊世帯まで対象を広げる要望をしたいとしています。