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コミュニティの行方を危惧 液状化被害甚大な氷見市の町内会長 能登半島地震

2024年2月15日 20:03
コミュニティの行方を危惧 液状化被害甚大な氷見市の町内会長 能登半島地震
能登半島地震で液状化現象の被害が著しい氷見市の市街地では、街を離れる住民が相次いでいます。地域住民と育んできたコミュニティの行方を危惧する、町内会長の思いを取材しました。梅本記者のリポートです。

氷見市栄町新道町内会 鎌和紀会長
「ここから向こうは、ほぼ、全滅状態ですね」

梅本記者
「1か月半くらい経ちますが、まだ、全然…」

鎌会長
「全然だめです、もう、直せないです、液状化ですから」

氷見市の海沿い、栄町です。この地区の新道町内会で会長を務める鎌和紀さんは、周辺で地震による液状化現象の被害が著しいと話します。

通り沿いでは連なる家屋が沈んでいて、通りと建物の間に段差が生じました。

屋根や外壁など、外見からは被害が分からない家屋でも、地割れが家の中まで走っていたり、家の中の柱が傾き、畳が盛り上がったりしています。

沖崎明副会長
「(復旧には)あと3年5年、2・3年いうとったけども、何年になるかわからんからね、その間に、ずーっと更地にして家を建てるかというと、ちょっと辛い所があるよね」

通りにはいくつもの商店が営業していましたが、地震で商売がままならない状態が続いています。

商店主
「なんのせ、商売にならない」

梅本記者
「お父さん、ここで店続けたいよね」

商店主
「そりゃあ、あんた、うまれて70何年経つさかいに、続けたいけれど、どうすることもできん場合があるないけね、自分の力だけではね」

鎌和紀会長
「こわいのは、建物が壊れただけなら修理できますけど、地面がこんな状態になったら、次なんかあったらもっとひどいことになるだろうってありますし、さらにね、まだ動いているんですね」

通りの39世帯のうち8割にあたる30世帯が、この町を離れるということです。会長の鎌さんは、地区の行く末を案じています。

鎌会長
「みんなで一緒に、にぎやかにやってる町内なんですね、例えば、納涼祭したりとか、旅行に行ったりとか、バーベキューしたりとか、そんな機会をいろいろ作ってきて、であるいはスポーツイベントしたりしてね、そういうことでみんなまとまってきているんですね」

気がかりなのは、地区に残る高齢者たちの生活です。心豊かに暮らしていくには、地域での人と人とのつながりが欠かせないと訴えます。

鎌会長
「ひとりで生きているわけではないし、家族だけで生きているわけでもないし、地域とのつながり、社会とのつながりがあって初めてねえ、楽しい人生過ごせるわけですから」

離れていく住民が「寂しい」と告げていくなか、何十年にわたって育んできたコミュニティの存続について思いをめぐらせる日々が続いています。

鎌会長
「もし自分らの代にそうならなくても、自分らの子どもだとかね。この場所に、また、人が住めるような状態になってもらえればね、本当に荒れ野原で、ぺんぺん草しか生えないような場所には、絶対したくはないですね」

鎌さんは、町内を離れた人が戻ってこられるよう、公営住宅の整備などを市に提案したいとしています。
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