空から警戒新部隊 富山県警ドローンパトロール隊のねらいは
富山県警察本部はこのほど、パトカーにドローンを搭載して警戒する新たな部隊を設置しました。全国で初めてというこの取り組みのねらいや活用方法を吉田記者が取材しました。
吉田颯人記者
「ドローンが飛んでいるのは、交通量の多いこちらの交差点。県警の新たな取り組みです」
春の全国交通安全運動の期間中だった、4月11日の朝。
登校する児童の頭上には1台のドローンが。
操縦していたのは、県警ドローンパトロール隊の隊員です。
地上からは見えない角度や範囲を上空から撮影し、児童が交差点を安全に渡ることができているか確認していました。
空からの見守り活動について街の人は。
宮園町内会 上野武志会長
「皆さん活発にいろんなことをやっていただければ、大変助かります。それで事故が減れば、なおさらいいと思いますね」
ドローンパトロール隊は、県警が4月1日付で機動警ら隊内に新たに設けたものです。
操縦士の国家資格を持つ隊員9人が配置され、3機のドローンを運用します。全国で初の取り組みということです。
ドローンパトロール隊 宮本茉奈巡査長
「行方不明者捜索では河原とか人がなかなか入っていけないところを、ドローンでしか撮影できないかなと思う」
事件や災害の発生時には危険が伴う場所で捜査や捜索を展開する警察官。
部隊設置の背景には、警察官が犠牲になった事件が各地で相次いだことがあります。
富山市では、2018年に警察官ら2人が殺害された交番襲撃事件が、長野県中野市では2023年5月、警察官2人を含む4人が殺される事件がありました。
県警は、こうした事態にも上空から現場の様子を把握することで危険を回避し、初動対応力の強化につなげる考えです。
県警機動警ら隊 竹内靖隊長
「今後、災害でありますとか、行方不明事案、水難、その他事件事故等で、ドローンを活用して、県民の皆さんの安全安心を守っていきたいと考えております」
上空からの広い視野をもつドローン。
警察官の強力な助っ人になるか、今後の活躍が注目されます。
県警は、ドローンの活用を近年市街地への出没が相次ぐクマの追尾などにも広げる考えです。