秋によく耳にする言葉「放射冷却」を説明できますか?冷え込み強まるには3つの条件が必要
山口県は、昼と夜の寒暖差が激しさを増しつつあります。今の時期、朝晩の冷え込みの原因には「放射冷却が強まること」が挙げられることがよくありますが、秋に度々耳にする「放射冷却」の言葉…この機会に改めて、理解を深めておきましょう。
私たちが住む地球は、太陽からの光のエネルギーを受けています。地球は、そのエネルギーで暖まる一方で、適度に外にエネルギーを逃がし、このバランスがうまく保たれることで地球は人間などの生き物が住みやすい星になっています。
この地球が適度に熱を逃がして冷えようとする作用を「放射冷却」と呼び、特に天気予報では、地表面の熱が大気中に放射されて地面が冷えることを「放射冷却が強まる」と表現します。
放射冷却は、実は昼も夜も常に行われています。
しかし、グッと冷え込みが強まるには、太陽からの熱が届かない夜の間でよく晴れて、空気が乾燥、そして風が弱い時、という3つの条件が必要です。
雲があると、地面から逃げた熱が雲に吸収されて雲からの放射で熱が戻り、空気が湿っている時も同じく、空気中の水蒸気からの熱の放射で地面はなかなか冷えません。
風がある時は、空気が次々に入れ替わるため、地面がじっくり冷えていきません。
放射冷却が強まる3条件が揃う、穏やかな晴天の時は、特に強まる冷え込みに気をつけて、健康で秋本番を過ごしていきましょう。
(KRY山口放送 気象予報士 山本昇治)