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”行政と住民のコミュニケーション” 専門家が指摘する被災地の課題に輪島市長は?

2024年4月1日 18:57
”行政と住民のコミュニケーション” 専門家が指摘する被災地の課題に輪島市長は?

先週、輪島市門前町。
災害社会学などを専門とする北陸学院大学の田中純一教授が学生たちとボランティア活動を行っていました。

東日本大震災や熊本地震など多くの被災地で調査にあたってきた田中教授。
2007年の能登半島地震でも長期にわたり被災地の課題解決に取り組んできました。

今回の地震でも、避難所の支援やボランティア活動を続けている田中教授に被災地の現状を聞きました。

北陸学院大学・田中純一 教授:
(Q.人が少ないというか、ボランティアの方もあまり見かけな いですよね?)
「そうなんですよ」「一方でニーズはたくさんあるんですよ。」
「3ヶ月経った時点でここまで人がいない地域に被災地っていうのは見たことはない」

今回の能登半島地震で県の一般ボランティアはのべ1万2508人。
一方、1995年の阪神淡路大震災では、発災から1ヶ月でおよそ62万人が活動するなど、過去の震災と比べて少なさが目立つといいます。

「やっぱりあるのは今回1次避難とか2次避難されてるでしょう」
「どなたも家にいないので、片付けたくてもできないんですよね」

いまだ多くの人が避難所で生活しており、ボランティア活動に必要な家主らの立ち合いが難しいことが多いといいます。
また、懸念しているのが仮設住宅の建設の遅れです。
入居を希望する人の数に対して、整備は追いついていません。
さらに、避難所の運営者からは行政の情報が届きにくいという声も。

田中教授:
「仮設の入居を希望されている方は、希望を出されて結果は出てきているわけでしょ?」
避難所の運営者:
「できているところもあるんですけど、そこでは入居が決まっているらしいんです。噂でしか聞いてないんで」
「きちっと行政が、こうなりましたというのはもちろん広報はしていませんし…」

そこで、この地区では、独自である取り組みを進めていました。

「赤が避難所にいる方、青が在宅の方、黄色はほかで…」

住民の避難先を色分けしたマップを作り、誰がどこで生活しているのかを把握することで、必要な情報を共有できているといいます。
田中教授:
「(避難所以外の人は)生活状況や何に困っているのかキャッチしづらかったわけですよね」
「取りこぼしがないように進めていくというこの地域の取り組みはすごく意義があるものだと思いますね」

そのうえで、田中教授が今後、より大切になってくると指摘するのは、行政と住民とのコミュニケーションです。
田中教授:
「何から何まで行政にやってほしい、国にやってほしいということではないんです」
「住民の方ができることは住民の方もどんどんやっていくと思うんです」
「ただそこのビジョンや方向性がしっかり示されないと、浮遊しているというか漂流しているような状態になっていると思うんです」
「舵をどっちにきっていいかという力を与えてくれる情報なり支えが必要なんじゃないかと思います」

これらの課題について、輪島市の坂口茂市長に話を聞きました。

輪島市・坂口茂 市長:
「行政からも、これからもっとこまめに情報を出していかなければならないなと思っているんですけども、なかなか伝わりにくいという部分は感じています」
「避難のいろんな再建支援とか含めて、生活支援も含めて市役所とかそういった窓口はありますので、そこは遠慮なく相談に来ていただけたらというふうに思いますし」

不足しているという声もある一般ボランティアについては…

「多くの人が二次避難に行ってますので」
「(被災者が)ニーズを把握して行動に移すというところが少し遅れているのかなと思います」
「でもこれから少し時期が変わると一般ボランティアのニーズは出てくると思いますけど」

そして、なかなか進まない建物の解体撤去について。
輪島市では、所有者に代わって解体を行う公費解体の受付を、きょうから始めましたが…

「個人の財産であることから」
「実印で了解しなくちゃならないとかですね、印鑑証明もつけてというところがあって書類上がしっかりそろわないと着手できないということがあります」

書類上の手続きに時間がかかるほか、県外からの応援職員の規模も縮小されていて、人員が足りていないのが現状だといいます。

「例えば土木の技術職員とか公費解体の職員とか、そんな部分の福祉的な部分の職員とか」
「通年ですね、いていただけるような職員を全国の自治体の皆さんの応援をお願いをしているということ」

市では、来年10月までの解体・撤去作業の完了を目指し、体勢を整えていく方針です。

地震から3か月。

改めて、復興に向けて思いを語りました。

輪島市・坂口茂 市長:
「従来の輪島市よりももっともっと魅力的な、もとよりもっと魅力ある、そんな輪島市を皆さんと力を合わせて必ず実現していきますので、今しばらく大変でしょうけども、頑張っていただきたいと思っています。そして、一緒になって新しい、より魅力ある輪島市を創っていきましょう」

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