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【新紙幣】20年ぶり導入まで1か月切る中、宮城県内の対応状況は?

2024年6月6日 19:12
【新紙幣】20年ぶり導入まで1か月切る中、宮城県内の対応状況は?

1万円は渋沢栄一にー。
20年ぶりの新紙幣導入が、7月3日に行われる。導入まで1か月を切る中、宮城県内の対応状況を取材した。

6日の仙台市地下鉄。

室井孝太記者リポ―ト
「新紙幣の導入は、来月3日。こちらの券売機はすでに新紙幣対応に交換済みです」

仙台市交通局では、あわせて174台ある駅の券売機と精算機のうち、70台を7月3日までに交換するが、残る100台余りはメーカーの生産が追い付かず再来年3月までに順次交換するとしている。

自動販売機の管理業者。
この日行われたのは、新紙幣への対応作業。

自動販売機を管理する佐藤総業 野坂茂治さん
Qこれは何ですか?
「新札対応に書き換えをする機械です」

特殊な装置を接続して、新紙幣でも読み取れるようデータを書き換えて、「新札対応」のラベルが貼られた。

新紙幣対応の目標は、年内に半分

一方、別のタイプの自販機。
「交換自体は1台もできてない」

紙幣読み取り部分の交換が必要な自販機もあり、7月3日までに新紙幣対応となるのは約1割にとどまる見込みだという。

さらに懸念されるのは、費用面だ。

佐藤総業 佐藤博幸社長
「何百万は、まともにやったら間違いなくかかる。1台で4~5万ずつ飛んでいく感じ。
要望があった先、売り上げがあるところから、優先順位をつけざるを得ない。全部(切り替え)は無理だろうな」

新紙幣対応の目標は、年内に半分だという。

20年ぶりに発行される新紙幣

1万円は渋沢栄一、5千円は津田梅子、千円は北里柴三郎。

20年ぶりに発行される新紙幣は、すかしの模様が精密になり、「3Dホログラム」技術を世界で初めて採用するなど新たな偽造防止技術が取り入れられる。

こちらは、仙台市若林区の食品スーパー。
新紙幣対応のレジはまだ導入しておらず、7月中旬までに6台あるレジは全て新紙幣対応のための部品交換が行われるという。

むらぬし 村主芳治社長
「最初不具合がメーカーから出ると聞いたので、少しバージョンアップしてから入れ替えたほうが安心じゃないかということで、後にしました」

費用は、6台で40万円近くかかる見込み

ATMや自販機を製造する業界団体によると、新紙幣への対応にかかる費用は日本全体で1兆2600億円が見込まれている。

これについて、七十七リサーチアンドコンサルタントの経済の専門家は「設備事業者が一時的に恩恵を受けるだけで県内企業においては波及効果は未知数だが、コスト負担の方が大きいのでは」と分析している。

偽造防止効果が見込まれる新紙幣。

日本銀行では新紙幣導入のタイミングに目を付けた「従来の日本銀行券が使えなくなる」といった詐欺などには注意するよう呼びかけている。

このほかの宮城県内の対応状況だが、JR券売機は6月中に券売機の作業を終える予定。
七十七銀行では、ATMの切り替えは全て完了している。
みやぎ生協では、レジ全台切り替えに向けて計画通り進んでいるが、チャージ機の対応は遅れる見込み。

新紙幣発行を機に、完全キャッシュレス化を行うのもひとつの方法かもしれないが、経済の専門家は割高な手数料が大きな負担となり、中小企業での移行はなかなか進まないとみている。

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