【特集】日本人の3~4割が”不眠症状” <睡眠>と”二酸化炭素”の意外な関係 ”睡眠導入アプリ”も(宮城)
宮城の研究にスポットを当てる「情熱ラボ」。
今回は「睡眠」について、お伝えする。
ある調査では、日本人の平均睡眠時間は1日あたり7時間22分。
先進国を中心とした33か国の中で最も短く、世界平均より1時間も短い。
この「睡眠」に、注目する。
青木アナウンサーリポート
「心地よい音楽も聞こえているこちらは、触って眠れるというアプリなんです。おやすみなさい」
眠りにつくことができるというこのアプリを製作したのは、仙台市内の企業。
開発したギジン株式会社の小泉彌和代表。
早速、使い方を教えてもらった。
小泉さん)流れ星が流れる音が聞こえるので、音が聞こえたらタップするか画面を撫でてもらえると…
青木アナ)今、流れましたよね
小泉さん)今、観測してスコアが1増えました。
あくまでも、スマホは見ずに持つだけ。
流れ星の音が聞こえるタイミングは、毎回違うそうだ。
小泉さん)観測しました
青木アナ)2回目ですよね。確かに、いつ流れるかに集中すると、他のことを考えなくなる
小泉さん)これが狙いです
流れ星の間隔は徐々に長くなり、眠りに落ちて反応がなくなると自動的にアプリは終了する仕組みになっているという。
30を超える様々なシーンから、自分好みのものを選ぶことができるこのアプリ。
ダウンロード数は4万を超えているという。
開発の背景には、小泉さん自らの悩みがあった。
小泉さん
「私がそもそも仕事で忙しくて、ストレスでなかなか夜寝られない。布団に入ってから1時間2時間寝られない状態が続く日々がありまして…」
厚生労働省によると、日本の成人男性の4割近く(37.5%)、女性は4割以上(40.6%)が1日の平均睡眠時間が6時間未満で、厚労省が薦める「6時間以上」に届いていない。
そして、3~4割の人が不眠症などに悩んでいる現状がある。
この「睡眠」について、東北大学ではある研究が進められていた。
健康科学分野を専門とする東北大学の永富良一特任教授。
どうすれば早く眠りにつけるか。今回、新たな発見があったという。
東北大学の永富良一特任教授
「簡単に言ってしまうと、布団かぶって寝ると早く眠れるということの確証をきちんと得ました。二酸化炭素濃度が高まって、早く眠れるということだと思います」
もともと、私たちの日常生活とそこに漂う二酸化炭素の関係について研究していた永富特任教授。今回、「眠気」に注目した実験を行った。
東北大学の永富良一特任教授
「真っ暗な小さな部屋で、ベッドを置いて横になってもらうその時に、二酸化炭素が多いとどうなるか調べた」
実験の参加者(20代11人)は、二酸化炭素濃度が比較的高く設定された小さな部屋に2時間ごとに4回入る。
そこで、どのくらいの時間で眠りにつくか、頭に装着した機器で脳波や目の動きなどをもとに測定した。
グラフの縦軸は、眠りにつくまでの時間。
青い線は通常の環境、オレンジは二酸化炭素濃度が高く設定された環境だ。
すると、時間帯に関わらず濃度が高い環境では、通常よりも早く眠りにつくことが分かった。
永富特任教授は、今後 今回の実験結果を活用し二酸化炭素濃度をコントロールする空調設備の実現などを見据えている。
東北大学の永富良一特任教授
「眠りたい時にどうしたらいいか、二酸化炭素も色んな睡眠に影響する要素の1つとして使えるんじゃないか。適正な睡眠危険を及ぼさないようにするにはどうしたらいいかというのは、こういう研究結果が役に立てるのかなと思う」