【経営悪化の「阿武隈急行」】昨年度は3500万円の赤字 村井知事「維持には沿線自治体の相当な覚悟が必要」との認識(宮城)
経営が悪化する「阿武隈急行」の株主総会が開催され、昨年度3500万円の赤字が報告された。
宮城側で厳しい経営状況が続く中、宮城県の村井知事は維持には沿線自治体に相当な覚悟が必要との認識を示している。
「阿武隈急行」は、福島駅と宮城・柴田町にある槻木駅を結ぶ第三セクター鉄道。
宮城・角田市で10日開かれた株主総会では、昨年度は利用者数が190万人でコロナ禍の前年度から回復したもののおよそ3500万円の赤字となり、累積赤字は14億円を超える現状が説明された。
阿武隈急行・冨田正則社長
「沿線自治体の皆様の考え方がまとまったら、それを粛々と受け入れていくということになると思うんです」
沿線自治体などで作る検討会では、去年3月から経営改善策を議論していて、利用者の多い福島側は鉄道維持の方針だ。
一方、利用者が少ない宮城側では、鉄道維持した場合と代替輸送に転換した場合のコスト比較に向けた情報収集が行われている。
村井知事は、10日の会見で鉄路の維持には沿線自治体に相当な覚悟が必要との認識を示した。
村井知事
「県は全体の2分の1。残り2分の1は3市町で負担をしてくださいとルール化されている。相当維持するとなると苦しくなります、その覚悟を持ってやっていただけるかどうか」
代替輸送導入の可否を含めた宮城側の方針は、今年度中にまとまる見通しだ。