国内初「新たな潮流発電機」公開 商用化に向けた実証事業 “環境負荷少なく安定した発電”を《長崎》
潮の満ち引きで起こる海水の流れを利用して発電する「大型潮流発電」の実証事業に九州電力のグループ企業が取り組んでいます。
商用化に向けて、改造された新たな発電機が公開されました。
(九電みらいエナジー水町 豊社長)
「ぜひこれを複数並べて、できるだけたくさんの発電をできるようなことをつなげていきたい」
傾斜が変わる3枚のブレードで、効率よく潮流をとらえます。
31日にお披露目されたのは、潮の満ちひきで起こる海水の流れを利用する「潮流発電機」。
ブレードは、1枚 約8メートル。
発電出力は約1100キロワット級で、年間の発電量は一般家庭約800世帯分に相当します。
景観への影響や環境負荷が少なく、安定した発電が見込める「潮流発電」。
九州電力の子会社で再生可能エネルギー事業などを手がける「九電みらいエナジー」と、NPO法人「長崎海洋産業クラスター形成推進協議会」が実証事業を担います。
2019年から環境省の公募事業に携わり、五島市奈留島沖の水深40メートルの海底に500キロワット級のイギリス製の発電機を設置し、稼働していました。
今回 その発電機を改造し、発電出力は1100キロワット級に上昇。
潮の流れに応じて発電機の向きやブレードの傾斜を変えられるようにして、効率性を高めました。
(九電みらいエナジー 水町 豊社長)
「本格的な潮流発電は世界を見てもイギリスのほか、数地点しかない。離島を含めたカーボンニュートラルをこの九州から実現していくためにも、今回の実証事業の意義は大変に大きい」
発電機は、来月中に奈留島沖の水深約40メートルの海底に設置し、1年間の実証事業を行うということです。