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長崎くんち【西濵町・龍船】豪快でスピード感ある船廻し “二胡” とのコラボで優雅さも演出《長崎》

2024年9月24日 6:45
長崎くんち【西濵町・龍船】豪快でスピード感ある船廻し “二胡” とのコラボで優雅さも演出《長崎》

7か町揃い踏みとなる 今年の「長崎くんち」。西濵町は、豪快な船廻しでくんちを盛り上げる「龍船」を奉納します。

くんちの曳き物の中で最大級の大きさ。今年は観客を魅了する新たな演出も。

諏訪の舞台を勇壮に躍動します。

7月下旬。気合いの鉢巻きをしめ、集まった根曳たち。

どこか落ち着かないわけは…

(田本佳史さん)
「でかいな。前回これをよく廻していたなと思う。10年ぶりなので」

数ある曳きものの中でも最大級といわれる「西濵町」の龍船。

その迫力ある姿に、アーケードの通りを行き交う人も足をとめます。

全長約11メートル、高さ約4メートルある「龍船」。

先頭の根曳「龍頭」が浮き上がるほど、豪快でスピード感ある船廻しで観客を魅了します。

トレーニングは、4月に始まりました。

週3日、筋力トレーニングなどに励んできた根曳衆。

務めるのは、20歳から46歳までの21人で、このうち15人が初めての出演です。

(根曳)
「きついです」

半数近くが20代と若返った中で、田本 佳史さんは43歳。2回目のくんちの舞台に臨みます。

(田本 佳史さん)
「どうしても船廻しがしたいと思って、その中でも西濵町の龍船。大きい龍船を廻してみたいと」

さらに 7歳の長男 幸之介さんも、囃子として出演することになりました。

(長男 幸之介さん(7))
「きょうも、うまく練習をできるように頑張る」

念願の親子での出演に、稽古も楽しくて仕方がない様子。

(田本 佳史さん)
「この子が生まれた時は(一緒には)出られないと思ったが、(コロナ順延で)出られることになった。すごくいい機会をいただいた」

4人家族の田本さん。住まいは新上五島町ですが、本番までの約3か月は長崎市に住むことを決めました。

父と息子、2人だけの生活です。

(田本 佳史さん)
「家事とかは、普段からやっていたのでそんな苦ではないが、夏休みはこの子をずっと面倒みなきゃいけないのが大変」

(長男 幸之介さん(7))
「都会だから過ごし方が変わってくるので、ちょっと大変。なんか人が多い」

囃子で「鉦」を担当する 7歳の幸之介さん。

(長男 幸之介さん(7))
「ずっとキャン(鉦)を上げ続けるのが大変。(親指)の周りが痛い」

くんち3日間の奉納を無事に乗り越えられるよう、日々の稽古に励みます。

(長男 幸之介さん(7))
「大勢の人の前でくんちを見せるから、結構 緊張している」

(田本 佳史さん)
「緊張するのと、前回は感じなかったけれど 階段が怖い。逃げるときに、しっかり止めないといけないと実感する」

凹凸のある石畳の感触を確認しながら ポジションごとの「廻し方」、そして「止め方」を入念にチェックします。

(稽古)
「気になるのは1回目。斜めに入っていって、右舷が引っ張られている。できるだけきれいに合わせて」

10年ぶりとなる今回、老朽化した龍船の3つの木製の車輪を「鉄」に変更。もちろん船は重くなり、300キロ増しの約3.7トンに。

(色采 入江 雅夫さん)
「速度が多分、前回よりかなり早くなっている」

車輪が滑りやすくなったことで、スピードも増していました。


(色采 入江 雅夫さん)
「あれだけでこんなに早くなる。だから、めちゃくちゃ気をつけないと。速度だけは」

速さだけでなく 船の軸がぶれないように安定して廻すため、息の合った動作が求められます。

今年の奉納に華を添えるのが、中国の伝統的な楽器『二胡』とのコラボレーション。

演奏するのは、中国出身の二胡奏者 シッシー チーさんです。

(二胡奏者 シッシー チーさん)
「文化とかが違うので、リズムの取り方が新鮮。楽曲に合わせて皆さんに元気なイメージをつけたい」

囃子の活気ある演奏と、二胡の優雅さが融合。新たな演出として加わります。

(二胡奏者 シッシー チーさん)
「西濵町の子どもたちと一緒に演奏できてうれしい。長崎の文化と、長崎の元気いっぱいの姿をみせたい」

本番まで1か月あまりとなった9月1日。諏訪神社では、最後の稽古です。

(稽古)
「廻すのは大体できている。その後の止め。それだけしっかりやりましょう。(諏訪神社は)きょうだけだから」

江戸時代から受け継がれてきたとされる 伝統の「龍船」。

船廻しも少しずつ、一定の速度でできるようになってきました。

(白采 川副 竜太郎さん)
「船廻しに関しては、ほぼ大丈夫。あとは細かい所作や動作 その辺を詰めたい。10年ぶりなので、町内一体となって盛り上げたい」

田本 佳史さんと幸之介さん親子も、悔いのないよう二人三脚で挑みます。

(田本 佳史さん)
「今回は根曳全体が若いので、勢いがあってすごくいい。前回とは違うみんなで作り上げた奉納ができたらいい」

より速く、豪快な船廻しを目指して。

西濵町の龍船が、諏訪の舞台を勇壮に躍動します。

西濵町では、SNSでこれまでの稽古の様子などを発信しています。
ぜひチェックしてみてください。

Instagram 「nishihama_jabune095」
YouTube  「西濵町 龍船チャンネル」

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