「デカルチャーでした」 マクロスシリーズなどを手掛けたクリエーター・河森正治さん 大阪・関西万博のプロデューサーとして平井知事と面談 万博会場で鳥取県のパビリオンと連携の予定
来年開催される大阪・関西万博を機に鳥取県との連携の道を探ろうと、万博のテーマ事業「いのちの輝き」のプロデューサーを務める河森正治さんが鳥取県庁で平井伸治知事と面談しました。
7月17日、県庁を訪れたのは、万博のテーマ事業でプロデューサーを務めるメカニックデザイナー、アニメ監督の河森正治さんです。河森さんは「マクロス」シリーズや「アクエリオンシリーズ」などを手掛けたクリエイター。来年の万博では、最新のテクノロジーを使い「いのちめぐる冒険」をテーマに、生物の多様性や命の循環を表現するパビリオンを制作します。
万博テーマ事業プロデューサー
河森正治さん
「”いのちめぐる冒険”ということで、生命がどこからきてどこへ行くのかをテーマにしているんですけど、現代社会は自分たちの食べているものがどこで採れたかも分からなければ、排せつしたものがどこへ行ったのかも分からない。始まりと終わりを知ることができないために、自然が遠くなっているんじゃないかと思うんですね。生態系の全ての命が輝くような取り組みができないかと思い企画したのが私たちのパビリオンです」
今回、その中で採用された次世代のコンクリートを作っている鳥取県八頭町の工場を見学するため、鳥取を訪れました。「HPC(Hybrid Prestressed Concrete)」と呼ばれるコンクリートは、従来使われていた鉄筋に代わり炭素繊維を芯に使うほか、セメントなど共に混ぜる水には大阪・関西万博の会場である夢洲近くの海水を採用しています。
製造会社の郡家コンクリート工業によりますと、真水の乏しい地域でもコンクリートを製造でき、炭素繊維は沿岸部の塩害にも強いため、新たな建築資材としての活用が期待されるといいます。河森さんも「(HPCが)本格的に実装されるのはこの万博がほとんど初めてといっていい。建設業界にとっても画期的なこと」と意義を強調していました。
初めて鳥取県を訪れた河森さん。鳥取市の鳥取砂丘や砂の美術館、境港市の水木しげる記念館なども視察し、豊かな自然と文化に驚いたといいます。
万博テーマ事業プロデューサー 河森正治さん
「鳥取は本当に来たことがなかったので、1回来てみたいなと思っていたのですけど、本当に漫画あり砂丘ありびっくりしましたね。マクロスを知っている人には分かるかもしれませんけど、“デカルチャー”(驚き)でしたね。また、ぜひ訪れたいなと思います。鳥取県の特性を生かし、新しいチャレンジをしたいですね。”鳥”って書いてあると”ガウォーク”(※マクロスに登場するメカ)も鳥ですし」
河森さんは、万博会場で鳥取県のパビリオンと連携するほか今後、県内でもプロジェクトの企画を検討したいと話していました。「まんが王国」を掲げる鳥取県。将来、河森さんとのコラボが実現するかもしれません。