現役の警察官とともに解説していくコーナーです。解説は鳥取県警生活安全企画課・波田貴幸警部補です。今回は、オンラインカジノについて解説していきます。

最近お笑い芸人が任意で聴取されたり、アスリートが書類送検されたりと、ニュースでもよく耳にします。そもそも、「オンラインカジノ」とはどういったものなのでしょうか。

鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「オンラインカジノとは、スマートフォンやパソコン上などで行うギャンブルのことです。スロットや、カードゲームのほか、パズルゲーム、スポーツの勝敗をかけるものも該当します。画面には実際のカジノ施設をイメージした映像などが出てきます」

カジノというと、海外でやっている人が多いイメージがありますが、どういうものが違法になるのでしょうか。

鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「オンラインカジノサイトの多くは、海外で運営されているといわれています。その国では合法的に運営されているとしても、日本国内からこれらのサイトにアクセスしてお金を賭ける、つまり賭博を行うことは、『賭博罪』などの犯罪に問われてしまいます」

つまり、海外では合法だからといって日本にいて賭博をしてしまったらなんでも犯罪になってしまうということですね。

鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「また、日本国内でオンラインカジノの入金や出金といった決済に関与したり、広告や宣伝したりすることも『賭博ほう助』などの罪に問われることがあります」

このオンラインカジノですが、近年その検挙数は上がっています。こちら、警察庁に取材した結果をグラフにしたものです。年々その数は増えており、去年全国でオンラインカジノで検挙された利用者・業者の数の合計は279人、前年の約3倍に跳ね上がっているといわれています。山陰ではどうなのでしょうか。

鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「山陰両県でも、2024年中に数件、このオンラインカジノで検挙された事例があるんです。山陰のみなさんも他人ごとではありません（鳥取:2人 島根:1人）」

しかし、どうして最近になって増えてきたのでしょうか。

鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「最近、『安心』『安全』といった“うそ”の言葉を信じて安易に利用する人が急増したことが要因の一つとして考えられます」

では、実際にどんなサイトになっているのか、実際に存在するサイトにかかれていた文言を抜粋しました。波田さんに特徴を教えていただきます。

鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「『オンラインカジノは海外企業によって運営されているため、日本国内からでもカジノでお金をもうけて遊ぶことができます』。この文言、これは間違った情報です。どこの会社が運営していても、日本国内からカジノをすることは禁止されています。また、『プレイヤーの保護』、ですとか『安全なオンラインカジノの見分け方』など、あたかも自分のサイトが安全とうたうようなコメントも利用者を誘うための間違った表現ですので、絶対にその先に進まないで下さい」

このようなサイトには、利用した人の口コミなどがあります。それはどうなんでしょうか。

鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「これは、利用者を装っている可能性が高いです。簡単に信じないでください」

オンラインカジノ、気づかないうちに罪を犯すこと以外にどんな恐ろしさがあるのでしょうか。

鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「オンラインカジノは、目の前に現金があるのではなくて、暗号資産など目に見えないところでお金が動きます。麻薬と同じで沼にはまってしまうと多額の借金を抱えることにもつながり、何もかも失ってしまう本当に恐ろしいものなんです」

それでは、私たちはどのような対策ができるのでしょうか。

鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「例え少ない額であっても、それが海外で運営されているオンラインのサイトであっても、日本にいる皆さんがお金をかけるのは犯罪ということを知っておくこと、意外と知らない人が多いので、まずは知ることが大切です。そして、こうしたカジノは最近ではお子さんも携帯で簡単にゲーム感覚でできるような作りになっています。保護者の方、ぜひご家族で勉強して注意しあってほしいと思います」

今回は、日本国内でオンラインカジノを利用することは犯罪ということを覚えていただきたいです。