「党本部同士の空中戦で終わったと思っています」 衆議院島根1区補選 亀井亜紀子氏の歴史的勝利で保守王国の崩壊 自民党には有権者から厳しい反応 島根県
歴史的な勝利となりました。衆議院島根1区補欠選挙は4月28日に投開票が行われ、立憲民主党の元職・亀井亜紀子さんが自民党候補を下し、当選を果たしました。
元職 亀井亜紀子氏
「今の自民党の裏金問題に対する怒りがベースにはあったと思います。保守王国といわれるこの島根県での今回の結果ですから私が訴えてきた通り大きなメッセージとなって岸田政権に届くとは思います」
全国3つの補選のうち唯一、与野党一騎打ちとなった島根1区。亀井さんは自民党の錦織功政さんに24,794票の差をつけ、勝利しました。
2007年の参院選で初当選し、2017年の衆院選では比例当選を果たした亀井さん。しかし2021年の衆院選では現職の細田博之 前衆院議長に敗れ落選していました。1996年の小選挙区制導入以来自民党の細田さんが議席を独占していた保守王国「島根1区」。今回の選挙戦で亀井さんは人口減少対策などの政策を訴えたほか、党本部から駆け付けた大物議員らとともに自民党の裏金事件を厳しく追及。雲南市や奥出雲町など保守地盤の強固な地域でも相手候補より票を集め、3年ぶりの当選を果たしました。
そして一夜明けた29日ー。
元職 亀井亜紀子氏
「なんか改めて勝ったんだなっていう思いですね」
亀井さんは新聞に目を通し、改めて勝利を実感していました。
元職 亀井亜紀子氏
「うれしいです。議会に出ることで皆さんと国政との距離を縮めていきたいですね」
今朝は街頭にも立ち、道行く車などに手を振り、感謝を伝えていました。
一方。街頭に立っていたのは亀井さんとの一騎打ちに敗れた自民党の錦織功政さんです。
新人 錦織功政氏
「私の非力により当選することがかないませんでしたことをここに深くお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした」
亡くなった細田博之前衆院議長の後継候補として自民党島根県連の公募で選ばれた錦織さん。選挙戦では岸田首相が応援のため2度も島根入りするなど、党を挙げて支持を訴えましたが裏金事件の逆風や知名度不足が大きな壁に。亀井さんは9市町村のうち隠岐の島町と知夫村以外の7市町で錦織さんを上回り30年近く守られてきた自民党の牙城が崩されました。
この結果を受けて、自民党島根県連の関係者はー。
Q.有権者の反応も厳しかったですか?
五百川 純寿 県議
「厳しかったですね。今回だけは(自民党に)おきゅうを据えなくちゃいけないと実質的に今回の選挙は争点のない選挙になってしまった。要するに党本部同士の空中戦で終わったと思っています」
事務本部長を務めた 嘉本 祐一 県議
「保守王国の崩壊というようなことはなかなかぴんと来ていない。自民党としての政策をこれからも地道に歩んでいきたい」
錦織さんは今後の政治活動について県連や後援会と話し合い検討したいとしています。
一方、街の人の反応はー。
街の人
「(自民党が)負けるんだ!?という…ちょっとびっくりしたという感情はありました。公約に掲げたことはしっかり実現できるように頑張ってほしい」
Q.今回の結果受けてどう思う?
「当たり前だと思う。ちゃんと税金を払っている人にとってはいけないことじゃないか。(島根県を)もうちょっと発展的なものにしてもらえたら」
県の選挙管理委員会によりますと、今回の補欠選挙の投票率は前回の衆院選を6.61ポイント下回る54.62パーセントとなりました。