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「雪害よりひどい…」ニホンジカによる“りんご食害”が広範囲で発生 収量9割減の農家も… 専門家は「被害は永遠に解決しない」と警鐘鳴らす

2025年3月26日 11:34
「雪害よりひどい…」ニホンジカによる“りんご食害”が広範囲で発生 収量9割減の農家も… 専門家は「被害は永遠に解決しない」と警鐘鳴らす
黒石市の山あいのりんご園でこの冬ニホンジカによるものとみられる食害が広い範囲で発生しています。
大雪で枝が折れる被害も多発していて収穫への影響が懸念されています。

黒石市上十川にある成田勝さんの園地です。
雪どけが進んだ今月りんごの木の皮が剥がされているのが見つかりました。

★りんご農家 成田勝さん
「最初はびっくりするだけでした雪害より 雪害も相当ひどいですが(ニホンジカの)被害の方が先に目に付いて」

60アールの園地の半分ほどで皮が剥がされていました。
足跡やフンなどの痕跡から、ニホンジカの群れが雪が多い2月ごろに食べたとみています。
皮がはがれると水や養分が行き渡らず木や枝が枯れてしまうと言います。

★りんご農家 成田勝さん
「ここの畑に関してはたぶん平年の1割とれるのか」
「まだ雪害は木が残ってくれればりんごが取れるので、シカの被害は皮を食べられてしまうと復旧するにも大変ですし、ダブルパンチですね」

大雪による枝折れも深刻で収穫がほとんど見込めない状況に肩を落としています。

★りんご農家 成田勝さん
「これから維持できるか考えてやってみてあとはこの被害がもっと広がらないように、行政の方も早め早めに動いてもらって」

★青森放送 能代谷俊朗記者
「黒石市では今月に入ってからも周辺で同じような被害が相次いでいるということです」

黒石市はニホンジカの被害検討会を初めて開き、対策の強化に乗り出しています。
市内では成田さんの園地のほかにも3か所で食害が確認されています。

木の皮や若い芽を食べ尽くし繁殖力が強いニホンジカ。
県によりますと、昨年度ニホンジカの目撃は185件に上っていて、りんご園の被害は年々増えています。
食害は去年12月西目屋村の園地でも確認されました。
専門家は草が雪で覆われる冬、シカが果樹の皮を食べた可能性があるとして、電気柵の設置や県全体での捕獲の必要性を指摘します。

★北里大学獣医学部 岡田あゆみ 教授
「県内全域にいるというのはそもそも間違いない」
「畑だけの問題ではなく地域全体でシカをどのくらいの個体数に抑えていくのか計画を立てて、早めに捕獲事業をやっていくことをしないと被害は永遠に解決しない。個体数管理というものをきっちり考えて早急に始めるというのが一番大事」

シカの食害は他の作物や世界遺産・白神山地周辺でも懸念されていて早急な対策が求められています。
最終更新日:2025年3月26日 11:34
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