青森市民病院 医療従事者不足で病床数107削減へ/弘前大学とむつ総合病院はオンライン診療 来月開始
市は適正な規模に見直しより質の高い医療体制をめざしていくとしています。
青森市民病院は緊急性の高い高度急性期病床を含め459床があります。
しかし看護師不足や入院患者の動向などを踏まえ、およそ2割にあたる107床が全く稼働していない状態です。
このため市は市議会の常任委員会で病床数を改正する条例案を12月議会に提案することを説明しました。
全く稼働していない2割の病床を削減し、352床の適正な規模に見直すとしています。
★菅原厚キャスター
「病床数が100床以上減らされることについて市民のみなさんはどう感じているのでしょうか?」
★病院の利用者
「不安ですね」
「病床数が減ってもそれと引き換えに医療レベル 患者への還元ができればと思います」
市民病院の使用病床は現在240床前後で推移していますが、稼働率は5割ほどに留まっているのが現状です。
このため2割を削減しても、現在の医療提供体制は維持できるとしています。
★青森市民病院 奈良英文事務局長
「適切な規模にダウンサイジング(小型化)するということですので、今回の病床数を減らすことによって患者さんが入院できなくなるとか、そういうことではないので心配しないでいただきたい」
青森市民病院の病床は来年4月1日から削減される見通しです。
「どこに住んでも安心して医療を」オンラインで遠隔医療
一方、弘前大学は患者や医師が移動する負担を減らすため、来月からむつ総合病院との間でオンライン診療を始めることを発表しました。
オンライン診療は2つの病院を専用回線でつないでモニター越しに弘前大学の専門医が難しい診療や処方に助言します。
また弘前大学からむつ総合病院のカルテを閲覧したり、書き込むことができるシステムを開発し、遠隔での医療行為を実現しました。
弘前市とむつ市は夏場でも車で片道およそ3時間かかり、患者や医師の負担が大きいということです。
昨年度、むつ・下北地域からは年間のべ2,500人以上が弘前大学附属病院に通院しています。
食道がんの場合手術までに4日から5日弘大病院に通院する必要がありましたが、このうち2回から3回をオンラインで診療するとしています。
また、弘前大学から月のべ100人以上の医師の派遣も、50%から25%減らすことができるということです。
★弘前大学医学部附属病院 袴田健一病院長
「長期的にはこれから人口減少社会それから過疎化が進んでまいりますと、どこに住んでいても安心して医療を受けていただくためには、オンライン診療という仕組みが必要だと思います」
★むつ市 山本知也市長
「(むつ総合病院は)専門医がいない診療科がいくつかありますので、そういった際でもむつ病院にいながら弘前大学の先生から診察をしてもらえる環境が整うというのは、オンライン診療の一番のメリットだと認識をしています」
オンライン診療は消化器外科など3つの診療科で来月1日から始まる見込みです。