眠らないクマ冬山に なぜ冬眠しない? どう対応したら良いのか専門家に聞く 岩木山 青森県弘前市
真冬にもかかわらず県内でクマの目撃が相次いでいます。
隣の秋田では人里でも目撃が相次いでいるクマ。
なぜ冬眠していないのか?私たちはどう対応したら良いのか、専門家に聞きました。
冬山を勢い良く走る1頭のクマ。
これは今月13日に弘前市百沢の岩木山登山コース標高およそ1,100メートルの場所でバックカントリー中のガイドが撮影しました。
体長はおよそ1.5メートルと見られています。
別のガイドも冬の岩木山でクマの足跡などを見たと言います。
★白神山地ガイド会 渡邊禎二 代表
「(クマ自体は)今シーズでも足跡は見ましたけど ことし暖冬だからいるという推測もあるんですけど数年前も真冬に何回かクマとすれ違ったことがあるので」
1月は冬眠時期とされていますが県内ではことしクマの目撃が相次いでいます。
県によりますと今月の目撃は青森・十和田・平川など7市町村で8件、過去5年で最も多くなっています。
動画を確認した専門家は「しっかり脂肪がついている個体」とした上で「去年秋のドングリ類の豊作が関係する」と指摘します。
★森林総合研究所 大西尚樹 動物生態遺伝チーム長
「豊作の時は冬眠前にたくさん(餌を)食べるのですが食べ残しが残っています 冬眠中でも起きてきて餌がある場所を覚えていればそこでドングリ(餌)を食べようというような感じで起きてくる個体がいる」
となりの秋田県ではこの冬人里でも出没が相次いでいます。専門家はにおいなどで生活圏におびき寄せない対策が必要だと強調します。
★森林総合研究所 大西尚樹 動物生態遺伝チーム長
「秋田の事例もあるので人里近くで冬眠中でも動き回る個体は出てくる 私たちの生活圏に近寄らせない近寄る魅力を与えないことが大事」
★白神山地ガイド会 渡邊禎二 代表
「街で人間と関係性を持ったクマはいろんな知恵が付いていると思うのでそれはちょっと危険かと思います」
県内ではこの冬食害や人的被害は確認されていません。
県は冬場にクマを目撃したら刺激せずに安全な場所に移動し、市町村や警察に連絡するよう呼びかけています。