豪雪死傷者114人に 通学路除雪が一部間に合わず青森市長「いっぱいいっぱいに…」経費超過で国に要望へ りんご園被害・高齢者支援は?
多くの小中学校であす冬休みが明け授業が再開するため青森市では通学路の除雪が進められましたが一部で完了の見通しが立っていません。
津軽と三八上北ではあすから警報級の大雪になる可能性があります。
多くの小中学校は冬休みが明けあすから授業が再開されます。
ただ青森市の歩道は雪で埋め尽くされ車道を歩かなければならない場所もあります。
学校から1キロほど離れた青森市の浜田小学校の通学路です。
児童たちが安全に通えるよう保護者や児童など、およそ15人が懸命に除雪をしていました。
★浜田小学校PTA 河合秀夫会長
「人は通れるようになったので前より元よりは安全かと思いますが、どうしても子どもたちは遊びながら通学するのでその辺を考えるともう少し歩道が広ければ」
「子どもの通学路の除排雪は優先的にやってもらえればすごくいい」
市によりますと、けさまでに除排雪の終わっていない小中学校の通学路は327か所のうち47か所、およそ15%です。
このうち市道は28か所で、市はきょう21か所の除雪を予定しているということですが少なくとも7か所は手が付けられず、完了の見通しは立っていません。
PTAなどのボランティア除雪も人力作業で限界があります。
★青森放送 木下玲斗 記者
「なんとか人1人歩けるくらいの歩道ができました しかしすぐ側を車が通るため不安感が拭いきれません」
★浜田小の児童
「歩くと埋もれそうで怖いです」
「車が多いから轢かれそうで怖いです」
加えて雪雲が停滞した場合あすから津軽と三八上北では警報級の大雪となる可能性があります。あす午後6時までの24時間に降る雪の量は平地の多いところで津軽と三八上北が30センチ、下北が20センチなどと予想されています。
その後、あさって午後6時までの24時間では津軽と三八上北が40センチ、下北が30センチなどとなっています。
さらに雪が積もれば学校側も対策を強いられます。
★浜田小学校 成田博樹教頭
「通学路の確認はしていきたいと思いますし、それで気になるところがあれば通学路ではない安全な所を指導しようかなとは思っています」
「おおむね完了」報告も緊急走行できない!?「共通テストまでに…」
一方、青森市は生活道路の除排雪の状況について次のように説明しました。
★青森市都市整備部 土岐政温理事
「現在の除排雪進ちょくですが緊急車両が通行できるレベルでの除排雪作業につきましては時間を要しましたが本日朝の時点でおおむね完了」
「緊急通行ができるレベルではおおむね完了」と説明したのに対し、委員からは除雪の遅れを指摘する意見が相次ぎました。
★竹山美虎副委員長
「年末に状況ってわかったと思う どれくらい降るかあるいはどういう状況になるか」「2日くらい年末 指令出すのが遅かった」
★渡部伸広委員
「人手が足りないとか重機が足りないという意味で遅れている部分はありますか?」
★青森市都市整備部 土岐政温理事
「除排雪をするショベルカーについては不足はない。ただ排雪運搬するダンプトラック、確認してはいますが他の作業と重なったりして用意できないケースはあります」
一方、青森市内の幹線道路は…
★青森放送 油川修一記者
「こちらの道路は本来2車線ですが排雪が追いつかず1車線しか通行できません」
★市民
「避ける場所がないので救急車 消防車は運転する人がたいへんだと思います」
「排雪 なんとかしてください」
一部の市道で排雪が間に合わず車線が減り、通勤・通学の時間帯の渋滞が懸念されています。
★青森市 西秀記市長
「繰り返し除排雪をしなくてはいけない状況になりマンパワー的にいっぱいいっぱいになってしまった状況があると思う」
「また降雪があっても迅速な除排雪作業が行えるような体制を準備しているところ」
青森市は片側2車線確保に向けた市道の排雪は18日の大学入学共通テストまでに終えるとしています。
西市長は「除排雪経費がすでに100%をこえる状況だ」として、あす国へ予算措置を要望することにしています。
りんご園などの被害は…農道除雪に補助金
弘前市は農業の雪害について農協やりんご協会などと会議を開き状況を確認し、対策を協議しました。
市の調査によりますと農業用ハウス7棟と木造の鶏舎2棟の全壊を確認しました。
また市内のりんご園では幹折れなどの被害を確認していますが、農道に雪があるため入れない園地が多く全体の被害は把握できていません。
このため幹線農道のおよそ77キロについていつもの年は2月中旬に1回市が除雪をしていましたが、ことしは前倒しして今月23日から2回除雪をするとしています。
幹線以外の農道については個人や団体などが所有している除雪機材を使った除雪に対して、経費の一部を補助する制度の活用を呼びかけています。
市はこの事業の補正予算1,000万円を専決処分し、補助率をこれまでの2分の1から3分の2に拡大しました。
「何かできないかと…」ひとり暮らし高齢者の家を除雪支援
除雪の支援は大鰐町が豪雪対策本部の設置に伴って2年ぶりに始めました。
きょうは町の職員10人が高齢女性などの家6世帯で玄関から道路までを除雪しました。
このうちひとり暮らしの芝田洋子さん76歳の家では職員たちが玄関の段差で固く凍った雪を取り除いていました。
★芝田洋子さん
「ことし特に雪多くて毎日やっても追いつかない片づけるのは 本当に助かりますありがとうございました」
★大鰐町総務課 関光太 主査
「家族がいなかったり体が不自由な人とか1人で支援ということで、役場で何か出来ないかということで企画しました」
今後大鰐町は雪の状況を見ながら除雪支援を行う予定です。
倒壊の恐れある住宅 雪下ろし費用負担へ
青森市では大雪により倒壊の恐れがある住宅について、災害救助法に基づきあすから屋根の雪下ろし作業の支援を始めます。
対象となるのは住宅の倒壊などにより命の危険やけがの恐れがある場合かつ自分たちで除排雪を行うことができない世帯です。
雪下ろしの作業は専門業者が行い経費は市が負担します。
住宅以外の倉庫や車庫などは対象外で作業が必要かどうかは市が現場の調査をして判断します。
市は専用の窓口を設置し、あすから今月19日の午前8時半から午後6時まで電話で受け付けます。
電話番号は017-752-9022です。
★青森市 西秀記市長
「家屋倒壊等により生命・身体に危害を受ける恐れがある方を最優先に実施するもの ご自宅が倒壊する恐れがあるなど不安に思われている方は速やかに相談下さるようよろしくお願いします」
県全体の被害まとめ 15日からまた大雪か
県のまとめによりますと、きょう午前9時現在今シーズン雪による人的被害は23市町村で114人に増えました。
このうち亡くなったのは7人、重傷は30人、軽傷は77人となっています。
建物被害は住宅の半壊などが17棟、住宅以外の全壊などが67棟確認されていますが、調査中のものもありさらに増える見込みです。
農業関連の被害ではこれまでに6つの市と町でりんごの枝折れが、平川市ではモモの枝折れも確認されています。
このほかハウスの倒壊などが12市町村で84棟確認されているほか、農業用の倉庫や牧草の保管庫などでも被害があるものの積雪のため状況把握に時間がかかるということです。
津軽と三八上北ではあすの夜からあさってにかけて大雪となるところがある見込みで、あす午後6時から24時間の降雪量は津軽と三八上北の平地で40センチなどと予想されています。
気象台は大雪による交通障害や屋根からの落雪などに注意・警戒するよう呼びかけています。