拾っても拾っても「ゴミ浜」のまま…美しい瀬戸内海のウラにある“海洋汚染”の深刻な現実
日本一長い半島、愛媛県・佐田岬。瀬戸内海に面し、豊かな自然が残っています。
しかし…
岩田功次さん:
「ひどいね、瀬戸内海の現状です」
そこにあるのは見慣れたペットボトルやコーヒー、栄養ドリンクの缶、インスタント食品の容器、お菓子の包装紙、サンダル。私たちの暮らしの中にあったものです。
海側からしか見えない入江で…溜まり続けるプラスチックゴミが地層を形成
岩田さん:
「何だこれぇ」
それが何十年も堆積してゴミの地層に。
岩田さんは、7年前から船を使ったゴミ拾いを始めました。活動範囲は瀬戸内海全域です。
2018年、一般社団法人E.Cオーシャンズを設立し、本格的に活動を始めます。
相手は瀬戸内海を漂う海ゴミ。戦うには組織作りが必要でした。
岩田さん:
「これね、普通の人は拾えない。ECオーシャンズは船を駆使してやっている。色んな技術的に人が入れないような所のゴミを入って拾う。これ、漁師の人も行かないような場所ですよ。浜に入っても危険がいっぱい。マムシがいっぱい居たりするような浜辺に普通の人は入っていけないですし。500か所以上のゴミ浜を見つけています」
東は淡路島から西は、広島、山口県の沿岸にまで。岩田さんの活動範囲が広がるにつれ、次々とゴミ浜が見つかっていったのです。
海を漂うゴミが風や潮の流れで大量に流れつく“ゴミスポット”は500か所以上
岩田さん:
「風と季節風、海流によって溜まる場所ってあるんですよ」
それが画面中央の赤いピンがある海岸、御所ヶ浜です。
「このすごいV型、こっちからゴミが入ってくる。その一番奥にあるのが、これが、この赤いところ。衛星でもゴミがあるのが分かる。凄い量。ここ4年間拾い続けている場所ですね」
岩田さん:
「ゴミの絨毯、あまり量はないですけど一面全部ゴミですよね」
ゴミの絨毯と化した御所ヶ浜。
洞窟探検家 吉田勝次さん:
「もう何十年。すごい人だと思いますよ。俺からあの人を例えるとゴミバカ、海ゴミバカ。終わりのないゴミ拾いをずっと続けている」
そんな「ゴミバカ」を生み出したのが、このゴミ浜です。
「地球を汚しているのは人間。人間としてどうにかしたい」
Q.岩田さんは本当にゴミを全部拾えると思いますか?
岩田さん:
「拾える訳ねえやねーか。ほやけどマイクロプラスチックまで全部拾いたいんよ。こんなん、こんなんやった、地球を汚しているのは人間や。わしも人間や。人間としてどうにかしたい。ただ、いろんな人が気づいてないから。日本中の海に関わるような人も、気づいてない人が多いから、この危機感を伝えたいな。伝えるぐらいでわしの人生おしまいやで。あとはあなたに任した。あなたに…任した」